第85話

episode84
1,812
2020/11/08 13:17



ぐったりと、


肩に頭をのせ、

苦しそうに呼吸するあなたちゃん。





恭「大人、呼びますか?」
あなた「あと3分、…くらいで、たぶんましなる、」
駿「無理しないでくださいね、」


ガラッ、


と、扉が開く音がした。




丈「ちょっと3人、…って、どうしたん、」
恭「しんどくなっちゃったみたいで…」
丈「あなた、大丈夫?」
あなた「…っ、グズッ、」
恭「えっ、あなたちゃん?」
丈「あなた、ちょっと顔見せてみ」

丈くんは、

あなたちゃんの肩を俺から引き離した。





恭「っ、!」
丈「お前、顔色、めっちゃ悪いで」


あなたちゃんの顔は、

青白くなっていて、

頬は涙に濡れていた。








丈「あなた、今日休み?」
あなた「え…?」
丈「自分が思ってるより身体限界きてると思うで。」
あなた「…」
丈「とりあえず医務室いこ。」



丈くんは、

あなたちゃんを持ち上げ楽屋を出た。



…大丈夫かな、



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あなた「っ、ゲホッ、ゲホッ、…」




すぐ治ると思ったのに。


どんどんひどくなって、


挙句戻しちゃって。


…ほんまに最悪、

丈「めちゃくちゃしんどかったんちゃうん?はい、水。」
あなた「ごめんなさい…グズッ、」
丈「あやまることやないよ。もう袋大丈夫そう?」
あなた「大丈夫です、ほんまごめんなさい、こんなん見せちゃって、」
丈「そんなん気にせんでいいって。寒ない?大丈夫?」
あなた「…ちょっと、」
丈「暖房上げるわ。…あ、そろそろいかな。」
あなた「ごめんなさい、大事な時間、わたしのせいで、」
丈「そんなん気にせんでいいから。ほら、寝とき?」
あなた「はい…」



丈くんは、

わたしの頭をくしゃっと撫で、

部屋を出て行った。








…このクリパが、

わたしにとって最後の松竹なのに。






休みたくなかった。

ばかやん、


体調管理もなんもせんと、


…ほんま、


自分嫌すぎる。








あなた「うっ、グズッ、ヒクッ」



布団の中に潜り、

わたしは声を上げて泣いた。








あなた「ヒックッ…ダサすぎ、グズッ、」




…疲れた、





わたしは、

重たいまぶたをゆっくり閉じ、



そのまま、深い眠り落ちていった。






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