あれからあっという間に一週間。
今日はいよいよ明日を駆ける少年たちの千穐楽。
陸「大丈夫?」
あなた「…へ?」
なんだか、
わたしは上の空だった。
佑「どうしたん?」
あなた「…なんか、うん、」
楽「今日から行っちゃうんやっけ」
あなた「うん、」
佑「1か月行くんやろ、すごいわ、、」
あなた「…やばいよな、ちょっと、未知やわ。」
楽「え、何回かそういう時あったやろ?」
あなた「うん、でも、紫耀と廉がいたから。平気やってん。あのときは。」
あー、
なんかお腹痛くなってきた。
陸「どうしたん?」
あなた「お腹痛い…」
楽「大丈夫?」
あなた「うん、、」
…しんど、
…最終日やのに、
てゆうか、
もしかしたら、
最後の少年たちかもしれないし。
来年、
ここにいる気がしない。
…これ、去年も思ったっけ。
でも、
今年は違う。
わたしは、
少しだけ気持ちが揺らいでしまっていた。
東京にいくのも、
ありなのかなって。
なんか、ちょっと、
しっくりきちゃってる自分もいるし、
それは5人も言ってくれる。
周りからも、
6人いいチームだねって。
だけど、
やっぱり
関西で夢叶えたいって気持ちは大きくて。
…これは、
もし東京行くことになっても、
心の隅っこに残るんやろな。
「陸たちちょっと来てー」
ん、
行かなきゃ、
佑「あなた寝とき?言っとくから。」
あなた「…うん、ありがと。」
…いつもやったら無理にでも行くのに、
なんやろ、
今日ほんまに、あかんな…
…はぁ、
ドリボやったら、
HiHi Jetsに入りたいってなっちゃうんかな。
…怖いな、いろいろ。
あなた「どうしよ…」
「何がどうしよなん?」
身体を起こし、
ドアの方を見ると、
そこには丈くんが立っていた。
丈「体調大丈夫?」
あなた「…ちょっと、お腹いたくて。」
丈「食べ過ぎ?笑」
あなた「ちゃいますよ!…いろいろ、考えちゃって。」
丈「話聞くで。」
なんて、言ったらいいんやろ。
あなた「…例えばですよ、丈くんが、グループに入らないかって誘われたら、どうしますか。funky8をとりますか?それとも、…」
丈「入れるチャンスをもらえたならやるしかないかな。」
あなた「…funky8はどうするんですか?」
丈「ずっと一緒に頑張ってきた仲間やし、きっとわかってくれるかなって思うで。」
…そもそも、
まよってること自体が
だめなんかな、やっぱり。
丈「入るん?HiHi Jets。」
あなた「いや… まだ、そういうわけじゃ、」
丈「話はあるねんな。」
わたしは、小さく頷いた。
…そりゃ、
勘付くか、
丈「ゆっくり悩み。」
わたしはゆっくり立ち上がった。
丈「行ける?」
あなた「はいっ。大丈夫です。」
悔い、
残らんようにしないと。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!