第17話

episode16
3,912
2019/10/02 14:04

雄「あなた、」
あなた「グズッ、グズッ、、ヒック…な、す…」
雄「大丈夫。きっと、いつか、努力は報われるよ。」

そう、


信じてやってきた。

あなた「そうやって、自分に言い聞かせて3年やってきてんけどな。。」

3年…


まだ、3年か。

あなた「3年だけ、か…まだまだ、やれるか。わたし、諦め早いなぁ、、笑 もっと頑張ってる人たくさんおるのにな。」

それでも、


涙が止まらないのはなんで?



雄「無理しないで。…3年の中に、たくさん辛いことがあったんじゃない?3年だけなんかじゃないよ。俺が入所したときよりも前からあなたは頑張ってたんでしょ?すごいよ。本当に。」
あなた「優しいね…那須は、、話、聞いてくれる?」
雄「うん。」



どんな日々も、

鮮明に覚えている。





あの日からは、



毎日辛くて、

途方に暮れて…





それでも、わたしは…


あなた「わたしが入ってすぐ、廉と大ちゃんと、流星とわたしの4人でグループ組ませてもらってん。なにわ皇子ってゆうねんけど、なにわ皇子と、あと、じーこと辞めちゃったとーまって人と、紫耀の3人グループのkin kanの7人で活動してきた。頑張ってきた。自分で言うのもあれやけど、ほんまにいいチームで、人気も結構あってん。だけど…」


久しぶりに、

あのときのこと思い出した。



あなた「2015年の春、とーまがやめて、夏には紫耀と廉とわたしで期間限定で東京行って。期間限定なはずやのに、KINGできて、わたしは辞退っていうか、逃げてんけど。紫耀と廉は…っ、、なにわ皇子も、kin kanも、自然消滅。その時はもう、westさんデビューしとったし、とーまも、関ジュの二大トップやった紫耀と廉もおらんくなって、関西ジュニア、焼け野原って呼ばれてた。」
雄「焼け野原…」
あなた「でも、グズグズしてられへんやん?4人で、前向いて頑張ろうって、…やけど、、わたしはっ…」

こぼれ落ちるわたしの涙を、


那須は優しく拭ってくれた。



あなた「わたし… 最前列から、最後列になった、、グズッ、ヒックヒック…だけ、、ど、グズッ」
雄「ゆっくりでいいよ。」
あなた「ありがと…グズッ、 わたし、悔しくて。また、絶対マイク持って歌う。最前列に立つって…誰よりも長い時間練習して、誰よりも努力して…グズッグズッ、」

それでも、


現状は変わらなくて…

あなた「わたし、全然ダメで…」
雄「ダメなんかじゃない。」
あなた「え?」

那須は、

わたしを強く抱きしめた。


あなた「な、す…?」
雄「雄登って呼んでよ。那須は飽きたかな…笑」
あなた「なにそれ笑 えっと、ゅ、、雄登…?」
雄「うん。笑 …あなたは、ダメなんかじゃない。あなたはすごいよ。ほんとうに。ダンスも上手い、歌も上手い、魅せ方もほんとに上手い。ファンサービスも、丁寧で、なのにたくさんの人にしてて…」

なんか、、

恥ずかしいなぁ...


あなた「そんなに褒められると照れるねんけど… でも。ありがと。嬉しい。」
雄「お互い頑張ろうね。」
あなた「うん…」



帰らなきゃ。

大阪に。


がんばらな。


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