第103話

episode102
1,772
2020/12/01 02:49


あれから数日、



" 3、2、1 "




明るいカウントダウンの声に、

耳を、塞ぎたくなる。





母「あなた、?」


あなた「え?…あっ、あけましておめでとう、」


母「おめでとう。…大丈夫?」


あなた「やっぱ悔しいなって、笑、」


母「無理して笑わんでいいねんで。」



なにわ男子のみんなは、

カウコンのために、東京に行ってる。


テレビに映る7人の姿は、

わたしの胸をぎゅっと締め付けた。






パッとスマホを見ると、

たくさんの通知。




そして、一件の不在着信。


じーこや、なんで、?






あなた「ちょっと電話する、じーこからきてた、」





______________________________________________






それから30分くらい、





康「ん!あけましておめでとう!ごめんな急に。」


あなた「あけましておめでとう。ううんっ、ぜんぜん。」

康「寒いやろ、乗り?」
あなた「うんっ、失礼しますっ」


じーこに誘われて、

急遽初詣に行くことになった。





あなた「わたしでよかったん?」
康「え、なんで?笑」
あなた「いや、なんでかなって、?」
康「んー、俺とおんなじ気持ちやろなぁって。」
あなた「…そっか。カウコン、観てた?」
康「もちろん。…悔しいよなぁ、やっぱ。すごいよな、ちょっと前まで一緒のグループやった人が、あっという間に遠くなってる。」
あなた「…ね、すごいわ。キンプリもさ、…紅白、すごいきらきらやって、ほんまにこん中おったん?って、」
康「…ええな、ほんま。」
あなた「ね。…こんな複雑な気持ちの年明けひさびさ。」
康「ほんまやな。」


そんな事を話していたら、


渋滞だって、知らない間に抜けてて、



神社に着いた。







長い列にならんで、

お賽銭用意して、



あなた「え、…なんかカメラ、」
康「あ、言ってへんかった。ride on time、来てくださってんねん」


スタッフさんがやってきて、

カメラも回り始めて、






あなた「こんなお参り緊張やわ、」
康「たしかに笑」



順番が来て、


わたしたちは、お賽銭を投げ入れ、


鈴を鳴らし、

ぎゅっと目を閉じ、



お願いごとをした。





" みんなの努力が報われますように。"






康「あなた、」



じーこの声に、


わたしは目を開けた。




康「行こっか。」



そのあと、

少しカメラの前で話して、



スタッフさんたちと別れ、


駐車場に戻った。





康「寒いなぁ、なんかあったかいの買ってく?」
あなた「おしるこ、のみたい」
康「自販機そこあるわ、みてみよか。」
あなた「うんっ…なんか懐かしいわ、こういうの。初詣とかもいつぶりやろって感じやし、」
康「そうなん?あっ、あるでおしるこ。俺もこれにしよ。」


そう言って、缶のおしるこを2本買うじーこ。




康「はい、あなたの。」
あなた「ありがと!あったか、、」

冷えた手が、

あったまってく。



車に乗って、

しばらくおしるこのみながら話して、




なんか帰りたくないなぁって。






あなた「明日リハやな、」
康「明々後日か、最後」


明々後日、

か、





あなた「…早すぎやろ」
康「信じられへんよな、」
あなた「じーこ、12年か。…すごいな、6年も先輩なんやね」
康「ああ、確かにそうやな笑 先輩感ない?」
あなた「あるよ笑 めっちゃいい先輩やと思うよ、みんなにとって。じーこ嫌いな人おらんと思うもん。」
康「そこまで言われると恥ずいわぁ、笑」
あなた「へへっ、笑 …ねえ、」
康「ん?」
あなた「わたし、まだいろいろ引きずってる。」
康「うん。」
あなた「でも、いつか、全部全部、これでよかった。なにも間違ってなかったって、思いたいねん。」
康「思えるよ。きっと。俺もあなたも、もう大丈夫。今までいっぱい乗り越えてきたもん。やろ?」
あなた「やね。」
康「帰りますか。」
あなた「うんっ、」


帰り道は特に何も話さなかった。


車の音と、微かに流れる音楽が、

妙に心地よくて、だけどどこか、寂しくて。




あなた「じーこ、」


康「ん?」
あなた「呼んだだけ、」
康「なんやそれ笑」
あなた「2019年やって、」
康「はやいなぁ」
あなた「来年とにとにやん。すご。」
康「ほんまやん!あっという間やなぁ」


今年は、

どんなことがあるんやろ。



HiHi Jetsの一員として、

ちゃんと力になれるかな。



大丈夫かな。



大丈夫、やんな…





プリ小説オーディオドラマ