第98話

episode97
1,792
2020/11/20 14:49



あなた「うまぁ、」


流「最近のコンビニほんますごい」


あなた「ほんまにそれ笑」



通りのイルミネーションを見終わって、


私たちは、

ベンチに座って、


冷め切ったチキン食べて、ケーキ食べて。





あなた「なんかあれやなぁ、ムード笑 ごめんな、お店入ればよかったね、」
流「まあ、いいんちゃう?これも思い出!笑」
あなた「やね笑」


いい子ちゃんや、流星。


あなた「ほんま綺麗やな…」




キラキラ光るイルミネーションは、

ほんとに綺麗で。



でもなぜか、

胸が、苦しくなる。



なんでやろ。




ポロッと、涙が溢れた。




流「…大丈夫?」
あなた「うん。…なんかイルミネーション見てたら泣けてきた。変やね、笑、」
流「…なんかちょっと寂しくなるやんな。」
あなた「そういうもん、?」
流「そうなんかもね、笑」


わたしは涙を拭いて、

ケーキの、最後の一口を食べた。






流「…なんかさ、クリスマスやし、いい感じのことしたいなって、思っててん。」
あなた「え?」
流「でもぜんぜん分からんくて、笑 調べても、余計迷うだけで。結局あなたに何がいいとか聞いて。ほんま、情け無い、」
あなた「そんなことないよ。誘ってくれただけで嬉しい。」
流「ありがと…」
あなた「チキン冷め冷めやしケーキコンビニやし、ぜんぜん完璧やないけどさ、なんか楽しいし、幸せやで。」
流「そうやね。俺も、めっちゃ幸せ。なんかある意味今までで1番いいクリスマスなったかも。」
あなた「あなたも思った!笑」
流「あ、あなたってたまに一人称あなたになるやんな笑」
あなた「え、いややはず、笑」
流「いいやんかわいい」
あなた「わたしもう高2よ、?」
流「え、待って笑 あなた鼻にクリームついてる笑 どんな食べ方したん?」
あなた「え、普通に食べた」


かわいいなぁ、と呟きながら、

流星はわたしのはなについたクリームを指で取って、

ペロッと舐めた。





あなた「なんか、デートみたいやな笑」
流「デートやで。これ。」
あなた「え?」
流「デート、誘ったつもりやってんけど。」


冷たくなった頬は、

一気に熱を帯びる。





流「あ、プレゼント、」
あなた「えっ、そんな、いいのに…」
流「俺が渡したかっただけやもん。」


そう言って、

流星はわたしの首に、ネックレスをつけた。



小さな、お花のモチーフがついている、

かわいらしいネックレスだった。



あなた「めっちゃかわいい…」
流「好きやろ?お花。」
あなた「なんでしってるん、?」
流「あなたの選ぶアクセサリーだいたいお花のモチーフやもん笑」


すご、よく見てるなぁ…




あなた「ありがと、ほんま。墓場まで持ってく。」
流「なにそれ笑」
あなた「流星あの、ほんま申し訳ないけどクリスマス頭から抜けとって、プレゼントとか、なくて…」
流「ええよそんなん!あなたと一緒にいれただけで十分。」
あなた「…ほんまいい子やんなりゅちぇ、」
流「え、ありがとう?笑」
あなた「いえいえ?笑 …寒ない?」
流「大丈夫やけど、寒い?」


流星は、わたしの手をぎゅっと握った。

 


流「冷え冷えやん!!…そろそろ行こか。」
あなた「だね。」





地下に潜って、

駅に向かう。



楽しかったな。


ほんまに、

いいクリスマスやった。


そういえば、

…来年からは、一緒に過ごせないのか。


毎年、クリパあるから、

クリスマスは一緒にあるんが当たり前やったけど、



今年で、最後。




あなた「…2人でおれてよかった。今日。」
流「え?」
あなた「よかった。ほんまにありがとね、誘ってくれて!」
流「うん。誘ってよかったわ。」


今までの当たり前が、


もうちょっとしたら、無くなっちゃう。




そのことが、

わたしの頭から離れなくて。



泣きそうになった。









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