そんな心を弾ませながら歩いているとメロスは気づいたのであった。
メロスはその場で足を止める。
何故だろうか。
もう既に日は落ちているから 町が暗いのは当たり前のことだった。だが違う。
どこか怪しく、ひっそり町全体が寂しく感じる。
今さっきまで呑気だったメロスも不安に思う。道で会った若い衆を捕まえ聞いてみたが首を振りそのまま若い衆は立ち去ってしまった。
しばらくのそりのそりと歩いていると老爺と会い、さっきよりも語勢を強く体を揺すぶりながら質問をした。
メロスは疑問を持ちもう一度訪ねる。
この時メロスの中のどこかがプチりと切れたのだ。
聞いて、メロスは激怒した。
メロスは単純な男だった。
そういうことが嫌いなメロスは短剣を王城に持ち運んで王へ話をしに行った。
ここからスタートする。
走れメロスのもうひとつの物語。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。