メロスは激怒した。
あの邪悪に包まれた王をどうにかしなければならないと決意したのだ。メロスには政治はわからない。だが許せなかったのだ。
メロスは村の牧人である。
邪悪に対しては敏感であり、正義感と責任感が何より人一倍強かった。
そんなメロスは内気な16の妹と2人暮らししている。母もいなければ父もいなく、奥さんもいない。この妹は律儀な一牧人を花婿として迎え、近々に結婚式を開くのだ。
結婚式の用意を買いにメロスは十里離れたシラクスの町へはるばるやってきたのだった。
そしてメロスには親友がいる。
セリヌンティウスという。弟子もいて石工をしているその親友の元へこれから訪ねるつもりなのだ。久しぶりに会うからとても心が弾む。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。