第11話

存在意味
1,903
2019/06/15 05:22
登坂広臣 side
壱馬は時折涙を流してHIROさんに
すべてを伝えた。
HIRO
HIRO
つらかったな、
気づいてあげられなくてすまなかった
HIROさんは壱馬を優しく抱き締めた
川村壱馬
川村壱馬
「HIROさん、
ありがとうございます。
こんな俺を受け入れてくださって、
臣さんも。声が出ないのに踊れない
存在意味のない俺を
受け入れくださって」
俺の知らないうちに壱馬は
人からの評価を恐れるようになっていた
登坂広臣
登坂広臣
そんなことない、歌えなくても
踊れなくても俺たちは壱馬が
必要なんだよ
HIRO
HIRO
そうだぞ。
お前は声だけじゃない、
お前という存在を求めているんだ
HIROさんがそう言ったとき、
壱馬は作り笑いから心からの
笑顔になった
HIRO
HIRO
お前が悪い訳じゃない。
で、どうする?お前やらんぺには
まだまだ仕事があるぞ
登坂広臣
登坂広臣
でも、壱馬は限界です

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