マークside

あー、イライラする

へチャニに怖い思いをさせたアイツらも、
へチャニのことを一人にしてしまった自分にも


あの後教室まで送り届けたけど、どことなく表情が強ばってた気がする
そういえば知らない男に話しかけられるの久しぶりだったもんな
しかも体格良い先輩とか、

本当に何やってんだろ

詰めが甘い自分に腹が立つ


多分あの2人はもうヘチャナに話しかけることはないだろうけど、この黒い気持ちは消え去らない





いつも眠たくなる世界史の授業は、へチャニのことを考えてたから眠くはならなかったけど、先生の話は全く頭に入ってこなかった



次の時間は自習か、放課後の生徒会の仕事が早く終わるように書類準備しとこ









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ヘチャンside


さっきはちょっと怖かったけど、ヘチを守ってくれたオッパはかっこよかったなぁ

そういえば、いつもそうだ
自分のこと以上にヘチのことを考えてくれるし、守ってくれる


昔、ヘチがまだ小学校低学年の頃だったかな？家族で済州島に行った時、オッパと遊んでたら大きな虫が飛んできて、虫が大嫌いなヘチは泣き出しちゃったの
そしたらオッパだって怖かったはずなのに、まだ小さかった手を大きく広げてヘチのこと守ってくれた
虫が他の所に飛んで行ったあと、すぐに｢大丈夫だった？｣って目に涙をいっぱいに溜めてぎゅっと抱きしめてくれて、安心とオッパに対するごめんねって気持ちとありがとうって気持ちで頭がぐちゃぐちゃになってもっと涙が止まらなくなったことを覚えてる
オッパはもう忘れてるかもだけど、

その時からヘチにとってオッパは世界一かっこよくて、大好きな存在なの

もちろんその前だってオッパのこと大好きだったけどね！


オッパとの思い出を振り返ってたらいつの間にか授業が終わってた
ヘチ、数学苦手なのに←
帰ってからオッパに教えてもらお♡



あ、次体育だ
着替えなきゃ


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オッパの匂いがする
ヘチの大好きな匂い

それにしても袖がぶかぶかだな、
指先まですっぽり隠れちゃう

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マークside

生徒会の仕事で使う資料を作り終えて、ぼんやりと外を見てたら校庭で50m走をしているのが窓から見えた

そういえばへチャニのクラス6限目体育って言ってたな
探してみよ
こうゆう時窓際の席っていいよな
すぐにへチャニを見つけることが出来た

今から丁度スタートするみたいだ
お、始まった

やっぱり速いな
俺も詳しくは知らないけど、アッパとオンマは2人ともダンスをしていて、体を動かしたりするのが得意だったらしい
その遺伝なのか俺たち兄妹は比較的体育は得意な方だ
へチャニは一緒にタイムを計測してた子達の中でも速さはダントツで、1番にゴールした

眺めてたら視線に気づいたみたいで窓越しだけど目が合った
ふわりと花の咲くような笑顔で手を振られたから振り返す
俺が貸したジャージを着てるからﾔｯｶﾝぶかぶかで、控えめに言って天使だ

クラスメイトに囲まれて褒められてるへチャニを見てると、なんだか俺まで嬉しくなった