マークside
ピリリリッピリリリッ
朝7時
俺は毎朝この時間に起きる
そして朝一番にするのは、
"愛しの妹を起こすこと"
コンコンッ
ガチャ
今日も可愛らしい寝息を立てて、天使は眠っている
そう言って優しく身体を揺すってみるけど、起きる気配はない
まぁ、いつもの事だ
耳元で囁いて
おでこ、目元、鼻、頬と順にキスを落としていくと
天使が目を覚ます
最後に可愛らしい唇にキスを落として一旦離れる
こちらに両手を伸ばしてくるから、そのまま抱き上げて、抱っこしたままリビングに向かう
毎日言ってるのに、照れちゃうところも可愛い
ほんのり赤くなった頬に口付けると、お返しのように俺の頬にも可愛い口付けが降ってきた
そんなこんなでリビングに到着
キッチンで朝ご飯を作ってるのは俺たちのアッパ
家族思いでとても優しい父さんだ
洗面所に着いたら一旦ヘチャンを下ろす
抱っこしたままじゃ顔を洗えないからしょうがない
素早く顔を洗って、ヘチャニに場所を譲る
女の子は朝のスキンケアが大事らしいから、俺は先にリビングに戻ってアッパの手伝いをする
って言っても、俺がリビングに着く頃には朝ご飯は出来上がってるからほぼ運ぶだけなんだけどね
こんがり焼きあがったトーストをお皿に乗せ、ダイニングテーブルに運んでいると
ぎゅ
可愛い天使が背中に抱きついてきた
あっという間に運び終えて、椅子に並んで座ってアッパとオンマを待つ
ガチャ
オンマはアッパにお姫様抱っこをされているが、これはいつもの事なので気にしない
そのまま俺たちと同じように洗面所に行って、戻ってくるとアッパは優しくオンマを椅子に下ろした
「「「「いただきます」」」」
アッパとオンマは今日もラブラブだ
けど、幸せそうに微笑みあってる2人を見るのは結構好きだったりする
そんなことを考えていると
うっ、可愛い、
そう言ってヘチャンの頭を撫でると、目を閉じて手に擦り寄ってくる
可愛い(何回目?)
朝ご飯を食べ終わると、時計の針が7時40分を指していた
8時には家を出なければいけないから準備を始める
ヘチャニの手を引いて洗面所に行き、並んで歯磨きをして部屋に戻る
制服に着替えて髪を整える
忘れ物がないかを確認して時計を見ると、時刻は7時55分になっていた
リュックを背負ってヘチャナの部屋に向かう
コンコンッ
1分くらい待っていると、
ガチャ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。