第29話

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2022/11/26 08:00
taiga side








なぜ



俺が北斗のタイムリープのことを知っているのか












_1か月前




ジェシーに告白して振られた日






俺は夢を見た







とても残酷な夢





SixTONESでの撮影のために北斗と楽屋に向かうと

ジェシーと髙地がキスしているのを偶然発見

それを見て俺は号泣



撮影後、北斗に泣きついている姿を
ジェシーと髙地に見られ、2人を悲しませた


その後、髙地は

『大我の気持ち知って
俺だけ幸せになるなんて出来ないから』

とジェシーと別れ、俺のせいで2人は破局



自分のせいで2人の幸せを奪ってしまった
罪悪感に押し潰され、


夢の最後で俺は自殺した












朝 目が覚めた時、涙が流れていた





ただの夢なのに、




まるで現実で起こったみたいな感覚になった、







以前、北斗の家にお泊まりした時
彼が話してくれた知り合いの話。


今日の夢の中の俺に重なって、少し不気味に思った








次の日も俺は夢を見た







俺の夢なのに俺自身は登場していないくて

なぜか夢の主役は北斗






最初の場面は俺のお葬式だった



どうやら、
昨日の夢で俺が自殺したあとの続き、みたい、








場面は変わり、北斗の寝室になった





北斗が起きたあと左腕を見つめて不思議そうにしている


左腕にはアザのようなものができている




彼がリビングに行こうとドアを開けると
そこはなぜか異空間


彼は異空間に吸い込まれていき
そこで夢から覚めた






昨日に引き続き不気味な夢を見た

この時はまだこの程度としか思っていなかった








しかし、その次の日も、次の次の日も

ジェシーに振られた日から毎日のように
不思議な夢を見た


それらは全て北斗が主役の夢








どうやら夢の中の北斗は俺の事が好きみたい


恋愛的な意味で



そして俺の自殺をきっかけに
タイムリープができるようになったみたい


俺が恋愛で傷つかないように試行錯誤してくれている








ある日の夢は俺が知っている情景だった




彼が俺を食事に誘っている


食事で行った場所はもんじゃ



俺たちが不仲を解消した日と全く同じ




その夢を見た日から何日間は俺が実際に経験したことと綺麗に重なっていた


一緒にショッピングに行く夢

北斗の家に泊まる夢







そこで思った






(これって、北斗の身に実際に起こったことなんじゃ、?) と






でもタイムリープというのは非現実的なこと
簡単に受け入れられるわけがない








しかし、自分の中でそれが確信になるような
夢を見た




SixTONESでバーベキューに行った日

夢の中の北斗はなんとタイムリープして2回この日を経験していた



車の席決めのグッチッパー



彼は俺に

『グッチッパーする時、パー出してくれない?』

と言った



それで言う通りパーを出したらジェシーの隣





その時は偶然かと思ったが、
もし本当に北斗がタイムリープしていたのならば、?

そう考えると辻褄があってしまった






バーベキューの日の夢を最後に
俺が不思議な夢は見ることが無くなった_






そして、夢を見るようになってから
俺のジェシーに対する気持ちが変わっていった


あれだけ好きだったはずなのに
気持ちが薄れていく、



いや、





気持ちが薄れているだけじゃない、



他の人に惹かれていっている自分がいた












"北斗"








彼は俺が辛い時、そばにいて抱きしめてくれた


俺が傷つかないように自分の恋心を隠し
ずっと見守ってくれていた


夢の中で北斗が俺を想う気持ちにだんだん惹かれていった




いつの間にか頭の中は北斗でいっぱいで、







『色々助けてもらったお礼に』

そう口実を作って
思い切って彼をデートに誘ってみた



北斗といる時の自分は本当に幸せで、



ジェシーに恋している時は辛いことばかりだったけど

北斗といると、ドキドキしてしまって、
ついワガママを言ってしまって、

でも北斗は優しいからなんでもOKしてくれて

そんな彼にまた胸が高鳴っている自分がいた









イルミネーションを見ていると


チュ



と北斗が俺のほっぺにチューをした




正直びっくりした





でも嫌じゃなかった



むしろ嬉しい って

幸せだ って思った




すごくドキドキして今でも鼓動が速い










いつの間にかジェシーのことなんて完全に吹っ切れていて





北斗のことがどうしようもなく好きになっていた_

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