第30話

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2022/11/26 08:00
※本日、29話から投稿しています
hokuto side






「なんで、京本が、その事、知って、」



京本「…夢で、見た、」



「…夢、?」



京本「そう、夢。

ジェシーに告白して振られた日、
俺が自殺する夢を見た。

ジェシーと髙地がキスしているのを見て
号泣して、、

北斗に泣きついているところを2人に見られて、
最終的に2人を破局させてしまった

そして罪悪感に押し潰された俺は自殺。



夢にしてはやけに現実味があって、最初は
不気味だな くらいにしか思ってなかった。」






今京本が言った夢って、




俺が実際に体験した事と同じ、、







何が起きて、、












混乱している俺を横目に、彼は淡々と話し続けた



京本「でも、次の日からも毎日のように不思議な夢見て、、

俺の夢なのになぜか主役は北斗

北斗が俺のためにタイムリープしてるの、



途中から、

2人でもんじゃを食べに行く夢

ショッピングに行く夢

お泊まり会をする夢

とか俺が実際に経験したような出来事が
北斗が主役で夢に出てきて、


その時に初めて、

『これって、北斗の身に実際に起こったことなんじゃ、』って思った

でもタイムリープって非現実的だし、
その時はまだ"憶測"程度だった」



京本「バーベキューの日に北斗がタイムリープした夢を見て、それが確信に変わった

グッチッパーで北斗に言われた通りパー出したら
ジェシーの隣になったやつ

あれってタイムリープしたから見事隣にできたんでしょ?笑」



「…そう、だよ、」



京本「北斗、本当に優しいね」



そう言ってニコッと微笑んだ







京本「北斗、俺の事救ってくれて、ありがとう」



「別に、俺が勝手にしたことだから、」






京本「あと俺が前に
北斗がタイムリープしてること知ってる
ってこと匂わせたの気づいた?」



「…えっ、?」










全然、分からない、













京本「この間のコンビニ、

こう言えば分かるんじゃない、?笑」







コンビニ、










💭







「ねぇ、ちょっとコンビニ寄ってもいい?」



京本「またかよ、笑 いいよ」







京本「北斗、このお菓子本当に好きだね〜」













・・・・
またかよ



・・・
お菓子










「…あっ、」




そうじゃん、


普通に聞き流してたけど
この間コンビニに行った日以外は
俺がタイムリープした時にしか京本とはコンビニに行ってない、

彼に買ってもらったお菓子も、



それを彼が知ってるということは、
本当に夢で全部見て、






京本「思い出した、?笑」



「…うん、全然気づかなかった、」



京本「んふふ笑 北斗もまだまだだなぁ〜」













京本「…それで、今回はなんでタイムリープしようとしてるの、?」



「…さっきのこと取り消そうと思って、」



京本「ほっぺにチューしたこと?」



「…そう、です、

ごめん、イヤだったよね
好きでもない奴からキスされるとか、」



京本「…俺がなんで北斗を遊園地に誘ったか
教えてあげる」



「…えっ、チケット貰ったから使うためでしょ、?」



京本「違うよ〜
北斗と、デートに行きたくて、」












へっ、?







俺、今幻聴が聞こえた、?




彼の顔を見るとほんのり赤みがかっていた






京本「なんかおかしいんだよね 俺

あれだけジェシーのことが好きだったはずなのにさ
夢を見るようになってから、北斗が俺を想う気持ちにだんだん惹かれていって、

いつの間にか北斗のことで頭いっぱいになってた」









うそ、












「…さっきチューされて嫌じゃなかったよ

むしろ嬉しいって、、ほら触ってみて」



そう言って京本は俺の手を自分の胸元にあてた








ドクンッ ドクンッ ドクンッ











鼓動が、










速い、











京本「今もこんなにドキドキしてる、笑

俺、いつの間にか北斗のこと好きになったみたい、」











京本が、俺の事好きって、





夢、?




そう疑って頬をつねるとしっかり痛い











現実、、







これは紛れもない現実なんだ、






京本「…北斗、俺の事好き、?」



「…好きだよ、ずっと前から

ジェシーのこと好きだった京本を横目にずっと恋してた

俺なんて眼中にないって早くから諦めて距離作った。

今まで嫌な思いさせてごめん、」



京本「別にいいよ、もう過ぎたことだし」



「京本の幸せのためにってずっと気持ち押し殺してた

でもどうしようもなく好きで、

京本の笑顔見るだけで嬉しくなって
そんな自分、京本にとっては迷惑だ って

ジェシーのことしか見てない京本を見てたら辛くて、好かれないなら別に嫌われても構わないって思ってた

でもやっぱりどこかで、俺が京本を幸せにしたいって思ってた」



京本「そっか、長い間北斗の気持ちに気づけなくてごめんね」



「京本が謝ることじゃない、」



京本「…北斗、俺 前まではジェシーのことがどうしようもなく好きだった

だけど今は違う

俺のために頑張ってくれた北斗のことが好きで好きで堪らない

だからさ、」



「待って、俺から言わせて、」












「京本、ずっと前から好きです。
俺と付き合ってください。」



京本「俺も北斗のことが好きです。
お願いします。」



「っ京本!」




俺は彼を思いきり抱きしめた



「ありがとう!」



京本「んふふ笑 幸せになろうね!」



「うんっ!」







俺の10年にも渡る片思いが叶った瞬間だった








一時は諦めていた恋









嬉しすぎて、涙が溢れてきた





京本「もうっ、笑 泣きすぎだよ〜」

俺の腕の中で彼が顔を上げ、指で俺の涙を拭った



「だってっ、嬉しすぎてっ、」


そう言うと彼は天使のように微笑んだ























京本「ねぇ、もう俺たち恋人なんだから
口でしよ、?」




















チュッ










どちらからともなく近づいてキスをした






唇と頬ではなく、唇と唇











唇が離れたあと彼を見ると
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに微笑んでいた













その後も何度も惹かれ合うように口付けを交わした














イルミネーションが輝く中
俺たちは結ばれた_

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