拓哉side
朝起きて、家を出て、上履きに履き替えて、教室に向かう。
ここまでは、いつも通り。
なんであの人がいるん。
しかもこっち来とるし。
道枝「ちょっと、いいかな?」
『たく、呼ばれとる』
あ、俺?
道枝「あ、いや、あなたの名字さんに用があるんやけど…」
あなたの下の名前か、、
え、あなたの下の名前?
いやいやなんでなんで
『んぇ!?わ、私どすか?』
道枝「ふふっ、どすか?笑笑」
『あ、す、すいません!焦っちゃって!』
楽しそうにしゃべっちゃって。
道枝「いや、かわいいね笑」
イケメンやとそういうこともサラッと言えるからうらやましい、。
あなたの下の名前もかわいいって言われて満更でもない様子。
『んーと、私に何の用でしょうか…?』
道枝「ああ、ここじゃあれだしちょっとあっちでもいいかな?」
『あ、は、はい!』
へぇ、行っちゃうんだ。
まあ別に俺のものでもないし、、
でも、
少しだけ、
いや結構、
胸が痛い。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!