第62話

「 電話 」
5,957
2023/04/17 11:02

side:YOU







『 うげぇ …… 』










そう言いながらホテルのベッドに倒れ込む


マジ死ぬ。いや冗談抜きで。


カーチェイスで神経使いすぎて疲れたし


夜だから眠たいし、


それに銃を使ったから身体中が硝煙で臭い。


早く風呂入ろう、そう思ったところで携帯が震えた












『 、あれ?こっちのスマホじゃない 』













自分のポケットに入れていたスマホを見るが


画面は真っ暗でこちらの携帯じゃないと分かる


ってことはもう一台の方なんだけど …


どこやったかな???












『 あれ?… ホテル着いてから私、、 
… あ、あったあった 』













荷物のあたりを探していると


ベットのサイドに置かれたドレッサーの上に置かれているのも見つけた


画面には “ 降谷さん ” と表示されていて


通話ボタンをスライドして電話に出たが


次の瞬間思わず耳から端末を離した













降谷《 あなた無事か!!!!!》




『 …………………… え、はい 』












亡き彼氏の同僚で公安を束ねる彼、


降谷零の動揺っぷりに驚きながらも


再度耳に携帯を当て一応返事をする。


すると向こうからよかった、と言う一言が聞こえてきた












『 あの … 何かあったんですか?』




降谷《 ああ、まぁな。それより今どこにいますか?》




『 え?
今は … イギリスの××ホテルというところに … 』




降谷《 外はなんの騒ぎもないですか?》




『 え?はい、特に何も … 』




降谷《 そのまま今日は外に出ないでくださいね 》




『 え?何があったんですか?』












そう聞くと少し間を開けて話し始めた。












降谷《 実は、今日イギリスに俺が潜入している組織の連中が現れると言う情報を得て各国で今日のイギリスの渡航者を調べていたところあなたさんの名前があって … 》




『 そうだったんですね、私は仕事できていますよ 』




降谷《 わかっている。調べらせてもらった 》




『 そうですよね。… それでその組織の人たちは捕まえられましたか?』




降谷《 … いいや、インターポールが向かったが全員逃げられてしまったらしい。だから外に出るのは危険だ 》




『 確かにそうですね … わかりました。ありがとうございます 』














まさか公安にも情報が漏れて空港を抑えられているなんてね、


危なかったわ。ベルモットとのやりとりは


防犯カメラのないエリアでしといてよかった












降谷《 ところでいつ戻ってくる予定ですか?》




『 明日の夕方には着く便で帰ります 』




降谷《 それなら迎えに行きますよ 》




『 え?いや、それは悪いです、!』




降谷《 俺がやりたいんです 》




『 … いいんですか?じゃあお言葉に甘えて、17時着と便です 』




降谷《 わかった 》














それから降谷さんが部下に呼ばれて電話を切った


どうやら正体がバレていなさそうな私は


ベルモットに任務完了のメールをもう一台の携帯で行い


シャワーを浴びにお風呂へ入って











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