第64話

「 彼の貴重な睡眠 」
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2023/04/17 11:09

side:YOU






安室「 あのっ、僕が運転しますから 」




『 いいから安室さんは大人しく助手席に座って寝ててください 』




安室「 でもあなたさんお疲れでしょう?」




『 私は半分旅行みたいなものだったのでむしろリフレッシュしてきたんで!!それよりも何徹でしたっけ?まあいいや、とにかく寝てない安室さんの方が疲れているでしょう??』












そう言いながらアクセル踏んで駐車場から出る


久々に見た日本の景色は


いつもの変わらず平和で溢れていた。


すると突然安室さんがフッと笑う















安室「 降参です、」




『 いくらでも寝ていただいて構いませんよ 』




安室「 では、お言葉に甘えて 」














そうしてしばらく車を走らせていると


隣から規則正しい寝息が聞こえてきた。


一瞬だけ、チラリと寝顔を拝見すると


普段のかっこいい顔より幾分か幼くて、口を半開きにしながら寝ていた


公安のエリートはどうやら相当お疲れのようだ。


このまま1時間くらいドライブするのもいいなと思ったが


この車は人様のものだ。


ガソリンを無駄遣いすることはできない、と


安室さんの家もわからないのでひとまず私の家へ向うことにした















『 ……… 30分で着いてしまった、』















空港を出てから30分後、


予想より遥かに早く着いてしまった …


隣で寝ている彼を見つめながら


起こそうか起こすまいか悩む。


せっかくの貴重な睡眠を妨げたくはない


だからと言って家も知らないから送っていけないし


成人男性を部屋まで運んでいける程の力は


流石の私もない。


死体なら引きずるだけだけど ( )


散々考えた末、試しに一声かけてみることにした














『 … 安室さん、…… 安室さん 』




安室「 _____ 」




『 ふ、降谷さん … 』




降谷「 … ん、… 」




『 あ、降谷さん起きましたか?起こしてしまってすみません、』




降谷「 … ここは、?」




『 私のマンションの駐車場です。ドライブはガソリン代が勿体無くて、ひとまずここまできたんですけど、お疲れのようですしよかったらご自宅まで送りましょうか?車は後日取りに来てもらえれば大丈夫ですので 』




降谷「 … ん〜、、」














どうやらまだ寝起きで頭があまり回ってないらしい


彼らしくない曖昧な返事に耳を傾けていると


彼はとんでもないことを言い出した













降谷「 あなたさんの家は、ダメですか?」




『 ………………… え 』

















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