side:YOU
聴き慣れた日本語のアナウンスが流れる
それを聴きながら荷物を受け取り
携帯を開きメールを確認する。
携帯には1分前にメッセージが入っていた
_ 降谷 “ 着きました。ロビーで待ってますね ”
メッセージを確認してすぐに周りを見渡す
そして組織の連中がここにきていないことを確認して
降谷さんを探した
空港って広いから簡単に見つけられるかn ____
『 … 思いっきりいたわ。心配する必要どこにもなかったわ 』
ぐるっと私が顔を一周させる前に彼を見つけた
ロビーの某コーヒーカフェで
コーヒー片手に柱にもたれかかっている金髪だ。
確実に、間違いなく、降谷さんだ
うわあ、様になるな、カッコいいな、
『 でもあまりにサマになりすぎて注目集めすぎですよ、、』
小さめの声でそう呟く。
そう、彼は容姿が容姿なので人々の注目を集めやすい
そりゃあ金髪でコーヒー片手に高身長スーツイケメンがいたら誰でも見るよね
うん、私だって見るよ???
この人は自分が注目されていることをわかってないのかな??
公安がそんな人々の目線集めちゃって大丈夫なの?
なんて心で突っ込みながら降谷さんに声をかけるべきか悩む
『 うんまあ迎えにきてもらったんだけど … もし彼に話しかけたとして私もきっと注目の的になるだろう、、、、、うん通り過ぎようかな 』←
そう決めたなら降谷さんとは逆方向に進むだけ。
彼に背を向けて空港の出入り口に向かおうとした時
まあまあ大きな声で名前を呼ばれた
安室「 あなたさん!!」
『 … 、、安室さん 』
安室「 いたら声かけてくださいよ、見失うところでした 」
『 え、あ、気がつきませんでした、』
安室「 目の前にいましたよ?笑 」
『 そうなんですか!?すみません … 笑 』
安室「 いえ、それより無事でよかったです 」
ああ、多今私はこの空港内のほとんどの人々の目線を感じる。
痛いなぁ、、目立つのは好きじゃないのに。
そんなことを心の隅で思いながらも降谷さんの顔を見る
彼は本当に心からホッとしたような優しい顔だけれど
彼は疲れ切った顔をしていた。
よく見ると目の下にクマがある
自分が組織の人間であるということを隠していることに罪悪感が湧いてくる
『 安室さん、いつから寝てないんですか?』
安室「 寝ていますよ 」
『 嘘。目の下にかなり濃いめのクマがありますけど???今日で何徹目ですか?』
安室「 … ご、です 」
『!?そんなに寝てないのっ??!』
安室「 資料に追われていまして … 、」
『 ちゃんと睡眠は取らないとダメです!お土産にブランドのコーヒーを買ってきたけどあげるのやめます!』
安室「 え、」
『 今はちゃんと寝るべきです、早く帰りますよ!』
安室「 あ、ちょ 」
人目なんてもう気にせず降谷さんを駐車場まで引っ張って
FDを見つけると鍵を開けて
運転席に座ろうとする彼を無理やり助手席に追いやった
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!