第65話

「 ギャップ 」
5,659
2023/04/17 11:12


side:YOU







突然だが、私はギャップに弱い。


普段キチッとしている人が恋人には甘えん坊だった、とかそんなやつが。


だから私は降谷さんに負けた


しかし一つ言い訳をさせてもらいたい。


あんなにかわいくお願いされたら聞かないわけにはいかないと!!(


ということで私は成人男性に頑張って手を貸し


どうにか7階の自分の部屋にたどり着いて鍵を開ける


ちなみにこのマンションは陣平の住んでいた松井あなた用の15階建てである。















『 降谷さーん、着きましたよ 』




降谷「 んん … 」








、ドサッ __










『 え、ちょっと待って降谷さん!??』














決して床に押し倒されているとかそんな甘い状況では決してない。


玄関を開けとりあえず降谷さんをベッドの部屋まで運ぶと


彼は突然、1人でベットまでふらふらと歩き


ドサリと寝た。


スーツも着たままなのにそのまま寝息を立て始める












『 うう、マジで …。降谷さん、せめてスーツは脱いでくださいよ、シワになりますよ 』




降谷「 …… 」




『 … はあ、』















仕方ない、五徹の後だ。


とりあえず降谷さんの体を片方ずつ持ち上げてスーツを脱がせて


近くのハンガーにかけておく

















『 … ふふ、赤ちゃんみたい 』













小さく開いた口を突きながらそう呟く


ぷくりとした唇が赤ちゃんみたいに柔らかい。


恐るべしイケメン … なんでも完璧でいやがる ( )


と柔らかな金髪を撫でたら、


突然頭の中をフラッシュする見覚えのない記憶























_ 「 きれいなかみのけだね、ほうせきみたい! 」



_ 「 きみのめは、うちゅうみたい! 」










小さな金髪の男の子と私が話している記憶。


男の子の顔は見えないがなんとなく、


降谷さんに似ているような ………
















『 いいや、そんなことない 』















当時の男の子は毎日何かしら怪我をしていた


ケンカは弱かったらしい。


私は毎日手当てをしていたような気がする。


そんな子が降谷さんなわけない、笑













『 降谷さんはきっと、昔も強いだろうし 』
















そして私はそのことある約束をした気がする、

















_ 「 君のことは僕が守る。君のことも僕が助けるからそれまで待ってて 」















そんな幼い頃に交わした約束を


私は心のどこかでまだ期待していた。


だから、絶対に違うと分かっていても


男の子と降谷さんを重ねてしまった













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