てひょん story
俺の問いに
財布をいじる手を止めて顔を上げるあなた
その顔を見て心底思う
はぁ、、やっぱりだめだ
忘れるなんてできない、
離婚宣言して無理やり突き放しても
好きでもなんでもない女に告っても
やっぱり気持ちは
ここに戻ってきてしまう
あなたを他のやつに渡したくない
全部全部、僕のものにして閉じ込めたい
そう、思ってしまう
気持ちが消せないのなら
いっそ、ぶちまければいい??
そうすればきっと、
このもやもやはなくなるはずだから。
そうして僕はキョトンとしてるあなたに
ゆっくりと近づくと
静かに、言い放った 。
"聞かないと 、イタイことしちゃうよ ㅎ"
————監禁まであと 、5秒、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!