第17話

タイセツナモノ
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2020/09/23 14:36

「桧山」


「ん?どうしたの?浦田くん」


「なにしてんの?次移動じゃん。遅れるよ?」


「ゆいちゃん、お手洗い行ってるから待ってるの」


「そ。じゃお先。まーしぃ行こうぜ」









浦田くんと月崎くん、本当仲良いな~。








「お待たせっ!」


「わ!びっくりした。もういきなりぶつかってこないでよ~!」


「うんうん。なんかトイレ混んでてさー」


「聞いてるー?」








「なぁ、そういや聞いた?」




「日向さん、坂田ってやつと付き合い始めたらしいよ」


「まじ!?ショックー」







えっ…。今、なんて……。







通りすがりの男子の会話。






彼らのとって、たわいもない話……。






その会話からわたしの今日1日分の元気が削がれた。










___やっぱりうまくいってたんだ………。














その後のことは、ほとんど覚えていない。




帰りにお母さんに買い物を頼まれたので、遠回りをしてスーパーで買ってきた。





買い物意外と時間かかったな……。


そのせいで雨に降られた。





傘持ってきてよかった。







"いつでも連絡してきなよ!あなた!"






ゆいちゃんに気を使わせちゃったな……






………たったったっ






「あなた!入れてー!」




え?


悠っ………。






なんで………?






「もうちょっとそっち寄ってや!」


「はわぁああぁ!ちょ、ちょっと、なにしてたの……?ここ通学路じゃないのに」


「駅まで人送ってたんよ。そしたら急に雨降ってきおったから、傘買うと高いし。あなたに会えてラッキーやったわ。」






「………日向さん?」


「え。……えっなんで!?」


「日向さん有名だもん。」


「あーうーん……。へへ」







何か言いたげな悠。

心なしか恥ずかしそう。







「なぁに?」




「あなたが背中押してくれたから」





………………。








「あっ!」


急に悠に引き寄せられた。



そう思ったら、すぐ横を車が通った。







「あ…ぶなー。ごめん。強くひっぱりすぎたわ。……どろかからんかった?」











いま、しかない……。










「……あなた?」










「………すき」

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