第35話

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2020/10/02 10:30

「お、桧山」


「あ、ごめん待ったかな?」






待ち合わせ場所に着くと既に浦田くんは、スマホをいじり待っていた。







「いや、大丈夫。てか、まだ10分前だし」


「よかった」


「……………」










……………?









私のことをじっと見つめる浦田くん。








「なぁに?」


「いや、私服こんな感じなんだって思って」


「あ、うん。でも、いつもより少し悩んだけど。」









そう言うと、嬉しそうに笑ってくれた浦田くん。

















___今日は水族館デートらしい。












「わー……。クラゲだ…。キレー」









「展望台行ってみる?」





「展望台?うん!行く!」




















「わーすごーい!高いね」








浦田くんの顔を見上げながら言う。












「ねえ、あれってニセモノの星?」


「そうじゃね?だってまだ昼だし。……でも、よくできてんなー。」


「結構リアルでさ、すごいきれいだね」


「な。星座とか見つけられそー。」












星座………。





そういえば、小学生の時悠の家のベランダから自由研究かなんかで星を探したっけ……。










7月なのに少し肌寒い夜だった。








『きっとあれが、天の川でしょ?…あんまり見えないけど』











『うーん……。はくちょう座ってどれなんだろ…?』


『あ!!』


『えっ、悠見つけた?!』


『まろ太座だ!!』


『え、』










『あれと、それとあれを繋ぐと、ほら!』


『ゆーう!まじめにやろうよ、自由研究なんだから。』


『あはっ』









『あっ、あれかな?』


『えっどれ?』


『わっ、すごいで!!目で見たら1つやのに、望遠鏡で見たら2つや!!』





『アルビレオじゃないかな。二重星って言うんだよ。』


『へー!とーさん詳しい!あなたも見てみ!』


『うん。………わー…。すごい。きれい』


『青いのが僕で、赤いのがあなた。』


『なーに?それ?』


『あの星たち!すごく近くて仲良しやもん!』









_____________
_________


ばかだな………。










ほんとバカ。















何千億キロも離れてるのに……。





















どうして……?











どうして、涙がこぼれてくるの?














泣きたく、ないのに………。








「桧山」




「浦田くん。………ごめんなさい」

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