第6話

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2020/09/20 15:02

「変だね。」



朝、学校に来てすぐゆいちゃんにわたしのことを相談した。



「ゆいちゃんが言うんだもん……。やっぱり変だよね……」


「うん。どーしたの?」


「自分でもわからないの……」



すきな人の名前を呼んだあの時の悠は、まるで知らない男の子みたいだった。



はー……。なんか、おなかいたい。




「……ってあれ?悠のシャーペン持って来ちゃった!!」


うわぁぁ!なんでこんな時に限ってー!昨日入れて来ちゃったんだ……。





………まぁ今はなんとなく会いたくないけど、悠も困るだろうし悠のクラスまで届けに行った。



1年生のフロアに行って悠を見つけ出した。






「今朝、なんで先、学校行ったん?」


「……きのうの事覚えてる?」


「寝ちゃったこと?」


「だよね」




覚えてるはずないよね!まぁ覚えててもこっちが恥ずかしいから良いんだけどさ!




「べつに……。遅刻しなかったんだしいいでしょ?」




ああまただ。おなかいたい……。
どうしてこんなに腹がたつんだろう。




「それはそうやけど……。なんか怒っとる……?俺、あなたと歩くの楽しいからさ、一緒に行きたかったんやけど……。」




………いたい。いたくてたまらないのは、





「あ、日向さんっ」




どうして……




「おはよっ!」




ああ、この子だ。ドアの前で振り向く美人さん。




「……おはよ」




ぺこっと会釈された。わたしも慌てて返した。けど……






「……めんくいだぁー」



「いやっ顔……も可愛いけどしれだけじゃなくてs…」


「いいよ聞きたくないっ」






あ、ち違うの……。





「…や……だって悠のそんな話、なんか恥ずかしいから、聞きたくない」


「えへへ、俺の方が恥ずかしいよ」




ふにゃっと笑う悠。いつも通りの悠だ。



…わたしは、



……うまく笑えただろうか。






あの後、悠と別れて走った。


人とぶつかりそうになっても、止まらず走った。

屋上まで全速力で。








「はぁ……。はぁ…。」


キーン コーン カーン コーン

……チャイム、鳴っちゃった……。


一時限目なんだっけ………

美術?あー……作品提出…………







「う"ぇぇ~……。脇腹いたい……」





「…………うっ。」


泣きたくないのに……。


痛いのは、おなかじゃなくて胸でしょ……。



日向さんって呼ぶ悠の顔がいたくて……。



つらくて……。







わたし、悠がすきなんだ。




いきなり失恋って……。

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