今日は、病院に寄ってから学校にきました。
途中から入るのって少し緊張するな……。
「お、おはよー」
「桧山ちゃんー!」
「あなた~」
今の時間は丁度自習だったみたいで、うちのクラスは無法地帯となっていた。
わたしが入ってきたのと同時にクラスの人は、わたしを囲んだ。
「おはよー。足だいじょーぶ?」
「うん。大丈夫」
「うちのクラス総合優勝したよ!」
「はっそーだっ!」
突然叫んだクラスメイト。
び、びっくりした……。
「あの、桧山ちゃんをおんぶして走り去ってった少年だれ!?」
「あ、私もそれ気になってたー」
「え、えぇ……えっと…」
…なんか答えるのつらい……。
「1つ年下の……幼なじみだけど…」
「キャー!」
「カッコよすぎじゃない?」
「___……。」
side Urata
授業が終わって、廊下を歩きながら考えてた。
女子に聞かれてつらそーに答えてたな……。
桧山。
あの、くそガキ。って1コしか変わんねーけど。
…ん?あれって
噂をすれば。
前からゆーくんとそのお友達が来た。
目が合い互いに立ち止まる。
「え?知り合いなん?」
お友達が聞く。
「………。知らない」
は?
ダンッ
ゆーくんは、また歩き出そうとするから壁に足をつき、行く手を阻んだ。
壁側を歩いてたのが悪い。
「……自分のことが好きだった女が、他の男にとられて惜しくなっちゃった?」
さぁ、オレの挑発に君はどう返す?
桧山を1番に思ってるのはオレってこと、さっさと認めれば楽になるのにね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!