家に帰ると綺麗なピアノの音色が聞こえてきた
身体中から変な汗がでる
私は急いで桜の部屋へと向かう
桜の部屋に行くと予想通り桜がピアノを弾いていた
その姿を見て私は
と繰り返す、だって桜はもうピアノが弾けないはずだ
だって…!
〜幼少期〜
幼少期、桜は本当にピアノが上手で周りの人達は揃って「才能がある」と言った
でも、私はピアノが下手だった
才能がない姉
才能がたる妹
その事実に私は嫉妬して、私は幼いながら嫌悪感を抱いていた
そんなある日
桜がいつものようにピアノを楽しそうに弾いていた時
私はピアノの蓋を思いっきり閉めた
桜の叫び声を聞いて両親がすぐに駆けつけたので病院には行ったがそれ以上危害はなかった
しかしそれ以来桜はピアノがトラウマになり
もう、弾けなくなった
今、目の前で桜はピアノを弾いていた
幼少期の時よ上手だったがそれ以上のクオリティで、その音色はとても中学三年生が弾いてるとは思えなかった
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!