あなたside
ふぅ〜、何とか入れて貰えた。
体育館向かお。
トコトコ(((((*´・ω・)
ここかな?
んー、見えない……
ジャンプをしながら中の様子を見ようとしていると
こ、の、こ、え、はっ……!!
うわぁすき!
ツッキーも、あっちの方が好きなのか、まじか←
・
はぁぁ、癒し…。
ザワッ……!
田中は、私の胸ぐらを掴んだ。
あの烏野メンバー全員が今、目の前にいる。
翔陽以外、みんなを表情を固くして私を見る
…少し怖い。
怖がられてる……。
仁花ちゃんは少しずつ後退し、潔子さんは仁花ちゃんの前に立ちはだかる。
そう発言した瞬間だった。
体育館に戻ってきた菅原さんが2人の前を遮るように立つ。
私が知る穏やかな顔をした菅原さんはいなくて、
ただ目には怒りが燃え盛っていた。
いまの私が出来ることは、
精一杯の『ごめんなさい』を伝えること。
藤咲あなたのしたことは正しいとは言えない。
私も、あれが正しいとは思わないし
思いたくもない。
でも、考え方は少し分かる。
私も前世では、両親に愛されなかったから。
兄は愛されたのに私だけが愛されなかったから。
友達にも学校にも恵まれなくて、私の居場所は無くなったから。
愛されている人を見ると嫉妬はしたし
いじめられると憎しみを抱くようになってた。
そんな自分を見ているだけでも吐き気がして死にたくもなったから。
それでも、私は
誰かに愛されたかった
必要とされたかったんだ。
藤咲あなたも同じ。
ただ少し、
愛され方を間違えただけだ。
そうだ、これは所詮自己満足にすぎない。
だから、怖い。
許して貰えないんじゃないか、また前世のようになるんじゃないかって怖くなる。
まぁ、もうほとんどなってるけどさ…………
ホッ…
影山……
あ、うん、怪我はさせてないかな…?
私はね。
そっか、影山はみのりの事……
1割…2割くらいは許されたいとは思うけど
空気が重い。
今は少し1人になりたいや…笑
体育館を出て校門に向かった。
息苦しかった、怖かった。
少し心が折れそう。
大丈夫、大丈夫……
私は強いから大丈夫だよ。
はーぁ、バレちゃった……ツッキーは優しいなぁ。
そう言って、私の頭にタオルをかけた。
ほっといてくれてよかったのに。
あぁ、ダメだな。
私は強い、
強い、けど
やっぱりわたしは、まだ弱い。
・
ハッ!今のやつ『ごめんツッキー!』に似てない!!?
おぉ〜、さすがの毒舌!
月島と別れて、校門前に来た。
そういや、つけられてたの忘れてた。
まぁ二人にとって、最悪の話題だけど笑
ねぇ"あなた"
……少しずつ本当に少しずつだけど
変わってるよ。
だから大丈夫、絶対に不幸にはさせないから
私、頑張るね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。