⚠️直接的表現あり。(暴力的要素etc…)
⚠️苦手な方見ない方がおすすめ。
《中学生時代》
人間で成り立っている
この世界は
間違いなく
腐っている。
この顔知っとるよ、、
わたしに諦めて、もういらんって顔。
ガヤガヤと声と声が響く。
周りは談笑し、色鮮やかで幸せそうな色をしている。
それに比べ、わたしは
今日も今日とて
息を潜め
今日を生きている。
わたしは黙ってコクリと頷き
体育倉庫へ向かう。
そして
クラスメイトは私をいたぶり笑う。
いつものこと。
ただの日常生活。
当たり前の日々。
もうほっといてよ…………
なに…この人……
なんなの、この人たち……
頭おかしい…狂ってる…
…あ………先生
先生は、その場で止まって
わたしを見る。
必死に振り絞った声で助けを求めた。
でも、
『俺は何も見なかった』とでも言うように
その場を去っていった。
涙は溢れて、止まらなくて
傷の痛みなんて忘れていて
ただ悲しかった。
なんで助けてくれへんの
なんでみんな、見て見ぬふりするん
なんで、そんなに哀れな目でわたしを見るの
なんでこの人たちは、私を痛めつけて笑ってるの
なんでなんよ…………
毎度、わたしは問う。
彼女らが
その問いに、答えてくれたことは無い。
なんで、そんな理不尽な理由で殴られなあかんの?
一気に不機嫌になる同級生。
ゲシッボコッ、、
1人、また1人がわたしを痛めつける。
やば、い。息が…
・
わたしを囲んでいるこいつらは
瞳の奥が真っ暗で
何も見えない笑顔がとても怖かった。
その場から逃げるように
わたしは走り去る。
やっと……あの場から帰れる。
早くお風呂に入って洗い流したい。
ポタ、ポタ、、
・
シーン……
いまのわたしは母親と二人暮し。
でも、わたしの存在は無いに等しい。
こんな親子だから
わたしは未だに
『愛』というものを知らない。
と、わたしは『愛』を否定する。
見て呆れる。
母親と男がハダカで抱き合ってるなんて
知りたくもない。
母の甘い声なんて聞きたくもない。
わたしはすぐさま2階へ上がり脱衣所に入る。
今日も
あちこち傷だらけの身体で
びしょびしょの身体で
気持ち悪い体験をして
これが3年も続いていて
今日も生きた。
汚いモノが流れていると信じて全てを洗い流す。
ズキッ
嫌な記憶が蘇り、
それに反応しているのか傷の痛みが増す
身体の震えを抑えるように自身をさする。
大丈夫だっ、て……ほんまに?
ポタッ……ポタポタ
果たして
これはさっき浴びた汚い水なのか
それとも
私の汚い涙なのか
はたまた両方か、分からないけど
ずっと、ずっと
零れ落ちていく。
そして独り言のように
ぽつりと呟く。
もう嫌やねん。
何もかも。
痛いのも
辛いのも
苦しいのも
学校も
この世界も
クズみたいなあんな奴らも
全部
全部
でもさ、仕方ないやん。
どんなに願っても
この願いは叶わなくて
どんなに祈っても
何も変わらなくて
大丈夫じゃなくても
そうじゃないと、わたしが今ここに存在しとる理由が無くなってしまうやん……
………………………………………なんてね
何も考えたくないし、何も見たくなくて聞きたくない。
気持ち悪い。しんどい。
もう、死にたい。
わたしはもう、充分頑張ったんだから
死んでもいいでしょう?
でもね、死ぬ勇気が足りないから
死ぬんじゃなくて
この世界から消えたいよ。
わたしの存在丸ごと消えて
最初から…
『鬼灯あなた』がいない世界だったら、
どんな世界だろう。
多分…いや…絶対に
何も変わらんやろうなぁ。
クズのやつはクズのまま。
わたしみたいな子がまた1人と犠牲になるだけ。
こんなクソみたいな世界
さっさと死ねばいいのに。
いや、いっそのこと
わたしが
もう死んじゃおうか。
キィ……とドアが開く音がする。
扉の方を見てみると
さっきまで母と一緒にいた男だった。
『あなたちゃん、だよね……?』
『へぇ、普通に可愛いじゃん。』
またか。
男運が悪い母親。
そして、カミサマに嫌われているわたし。
『別にいいじゃん。上で聞いていたんだろ?』
そんなこと言う男に
わたしは襲われる。
・
…………ドスドスと階段を上がってくる音が聞こえた。
バンッ!
あーぁ、始まった……。
これも日常茶飯事。
襲われたのわたしだっつーの。
親なら心配しろやボケ。
絶対しないけど。
毎度毎度、こんなことを言われ叩かれる
わたしの身にもなってほしいね。
要らないなら、
産んだのを後悔するなら
いっそのこと、あんたの手で
わたしを殺し終わらせてよ。
大抵、こういうと母親はたじろぐ。
そして、、
わたしを抱きしめ謝る。
なんて哀れな母親。
わたしは、矛盾だらけだ。
死にたくとも死ねなかったり
生きていたくもないから
死のうと試みる。
でも死ぬ勇気がなくて死ねない。
心の中は反抗しているのに
身体は心についていけてなかったり……
混沌としていてハッキリしない。
何とも面倒くさい人間だ。
あんなクズたちよりは全然マシだと思いはする。
今までずっと
"わたし"は
あんたらの操り人形だった。
でも、今日は少しずつ反抗してみようと思う。
あんたの幸せなんて、心底どうでもいい。
さっきまでいた弱々しい母親の姿はなく
またいつも通りの力で制圧しようとする姿だった。
ほんと、調子がいいよね。
私の部屋で大声出さないでよ、うるさいから。
無理やりに母親を部屋の外へ出していく。
そして、部屋の中に静寂が戻った頃……
いつから、こうなってしまったんだろうか。
……あぁ、あの日からか。
父親と最愛の息子がいなくなった日から
あの人はおかしくなってしまった。
兄と父がいたとしても何も変わっていないけどね。
もし
この世界に
誰か一人でも
私のために涙を流してくれる人がおったらさ
もしそんな子がおるなら、
わたしは一生その子を大切にするよ。
布団に潜り込み、
明日が来ないでほしいと願いながら
眠っていく。
・
中学時代は同級生からのいじめで終わり
高校に入学する。
同級生が誰もいない高校に入学したわたしだったが、
いじめが途絶えることはなくてさ
あの映像がある限り
わたしは一生、あいつらのオモチャだった。
そして、その度わたしの心は死んでいく一方。
でも、とある子と出会って
わたしは、その呪縛から解き放たれてん。
初めて、私のために涙を流してくれて
初めて、友達ができた。
初めて『愛』というものを知った。
『愛』を教えてくれたあの子は
とても、とても大切な人やった。
でも、
私が2年上がったぐらいに
と言われた。
意味が分からなかった。
確かに無くなった。
毎日が解放的で幸せな気分だった。
少女は、悲しみも苦しみも殺意も全部を込めて慟哭する。
その声が天にも届いたと思わせるぐらい
天気も荒れていく。
そんな彼女の言葉も今は届かない。
現実を突きつけるように、同級生は言葉を重ねる。
わたしが、コロした?
あの子を?
あんな優しくて、正義感の強いあの子を……?
なんで、どうして
そんなこと一言も言わんかったやん……
なんで1人で抱えたん?
なんで、
なんで、、
なんで!!!!
あの子がいない世界なんて
生きていても意味が無いよ……
再びわたしの心が死んでいく。
もう何も分からない……
分からないけど
1つ、殺らなければならないことがある。
あいつらを殺してからそっちにいくよ。
煌_________。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!