第15話

前世の記憶〜矛盾〜
1,204
2021/06/30 06:29
⚠️直接的表現あり。(暴力的要素etc…)
⚠️苦手な方見ない方がおすすめ。
《中学生時代》
人間で成り立っている

この世界は

間違いなく

腐っている。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
……
先生
鬼灯さん?聞いてるの?
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
え、あ、す、すみません。
先生
はぁ。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ビクッ……
先生
もういいわ。
この顔知っとるよ、、

わたしに諦めて、もういらんって顔。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
はい……
ガヤガヤと声と声が響く。

周りは談笑し、色鮮やかで幸せそうな色をしている。

それに比べ、わたしは

今日も今日とて

息を潜め

今日を生きている。
同級生
ほおずきさっーん!
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ビクッ
同級生
いつものとこ行こっ?!
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
……
わたしは黙ってコクリと頷き

体育倉庫へ向かう。

そして

クラスメイトは私をいたぶり笑う。

いつものこと。

ただの日常生活。

当たり前の日々。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ねぇ、もうやめてや……っ
もうほっといてよ…………
同級生
なんで??
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
は……
なに…この人……

なんなの、この人たち……

頭おかしい…狂ってる…
同級生
バチンッ
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
い゛っ、
同級生
なにその目。そんな反抗した目で誰が見ていいつった?
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ごめ……
…あ………先生
先生
ピタッ……
先生は、その場で止まって

わたしを見る。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
たす、けて…………
必死に振り絞った声で助けを求めた。
先生
フイッ……トコトコ
でも、

『俺は何も見なかった』とでも言うように

その場を去っていった。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
な、んで……?
同級生
はぁ??
涙は溢れて、止まらなくて

傷の痛みなんて忘れていて

ただ悲しかった。
同級生
あぁ、先生に見捨てられちゃった?ww
なんで助けてくれへんの

なんでみんな、見て見ぬふりするん

なんで、そんなに哀れな目でわたしを見るの

なんでこの人たちは、私を痛めつけて笑ってるの

なんでなんよ…………
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
…………
毎度、わたしは問う。

彼女らが

その問いに、答えてくれたことは無い。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
…私が何したん。
同級生
は?
同級生
またその質問?
同級生
まぁ、いつもやったら無視するとこやけど今日は特別に答えてあげるわ。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
っなんで、こんなことするん?
同級生
あんたが嫌いやから?
同級生
クソ陰キャで、クソブスのお前が笑っとるなんて頭おかしいんじゃない?w
同級生
ストレス発散かな?w
同級生
お前を見てると苛つくねん。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
何っ、それ…………
なんで、そんな理不尽な理由で殴られなあかんの?
同級生
なに?不満??
一気に不機嫌になる同級生。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
…たしは
同級生
なに?はっきり言えよ。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
わたしは、、あんたたち、の、オモチャじゃない……!
同級生
へー、口答えするん?
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ギリッ……
同級生
生意気っ!
ゲシッボコッ、、
同級生
誰に逆らっとんの?
1人、また1人がわたしを痛めつける。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
う゛っ……ヒュッ…!
やば、い。息が…
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
……ウッ、おえっ、ゴホッゴホッ、ケホッ
同級生
きったないなぁ
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
………ハァ…ハァ
同級生
威勢がいいから、もーちょい楽しめるかと思ったけど勘違いか〜
同級生
チッ、つまんな。
同級生
もうええわ。
同級生
ヤッてええよ。
同級生
りょーかい。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ハッ……え、ま、待って
同級生
待たないよww
同級生
ちゃんと私らも見ててあげるからw不安がらないでよww
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
い、いやや……
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
グスッヒクッ……ッハ……ポロポロ
同級生
随分気持ちよさそーだったねー?
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
っそんなわけないやろ……!
同級生
バゴッ、誰が喋っていいって言った?
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
同級生
そうそう。いい子やねぇ♡
同級生
この映像、ばら撒かれたくなかったら分かっとるよね?
わたしを囲んでいるこいつらは

瞳の奥が真っ暗で

何も見えない笑顔がとても怖かった。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
は、い。
同級生
じゃあ今日は帰ってええよw
同級生
えー、もう帰らすん?
おもんな〜。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
バッ!
その場から逃げるように

わたしは走り去る。
同級生
いいんよ。また明日 ・  ・  ・  ・ があるからね。
同級生
うわ鬼畜〜!笑
同級生
自分も楽しんでるくせに…人のこと言えんやろ笑
同級生
まぁね!笑
やっと……あの場から帰れる。

早くお風呂に入って洗い流したい。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
トコトコ……バシャァァ!!
ポタ、ポタ、、
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
……
クスクス
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
…………トコトコ
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ただいま……
シーン……
母親
…………
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
た、だいま
母親
…………
いまのわたしは母親と二人暮し。
でも、わたしの存在は無いに等しい。

こんな親子だから

わたしは未だに

『愛』というものを知らない。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
愛なんて、存在するわけない
と、わたしは『愛』を否定する。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
今日も、知らないオトコか……
見て呆れる。

母親と男がハダカで抱き合ってるなんて
知りたくもない。

母の甘い声なんて聞きたくもない。

わたしはすぐさま2階へ上がり脱衣所に入る。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
気持ち悪い……
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
お風呂も二階にあるのがいいよね……
今日も

あちこち傷だらけの身体で

びしょびしょの身体で

気持ち悪い体験をして

これが3年も続いていて

今日も生きた。

汚いモノが流れていると信じて全てを洗い流す。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
今日生きて偉いね……頑張ったね、凄いよ……
ズキッ
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
っ!
嫌な記憶が蘇り、
それに反応しているのか傷の痛みが増す
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
大丈夫だから……落ち着いて
身体の震えを抑えるように自身をさする。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
大丈夫……大丈夫……ポタッ
大丈夫だっ、て……ほんまに?

ポタッ……ポタポタ

果たして

これはさっき浴びた汚い水なのか

それとも

私の汚い涙なのか

はたまた両方か、分からないけど

ずっと、ずっと

零れ落ちていく。

そして独り言のように

ぽつりと呟く。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
…………ほんまはさ
もう嫌やねん。

何もかも。

痛いのも

辛いのも

苦しいのも

学校も

この世界も

クズみたいなあんな奴らも

全部

全部
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
っ全部……
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
消えればいいのに……!!!
でもさ、仕方ないやん。

どんなに願っても
この願いは叶わなくて

どんなに祈っても
何も変わらなくて

大丈夫じゃなくても
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
大丈夫
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
、、っていうしかないやんか。
そうじゃないと、わたしが今ここに存在しとる理由が無くなってしまうやん……



………………………………………なんてね
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ハァ…頭いった……
何も考えたくないし、何も見たくなくて聞きたくない。

気持ち悪い。しんどい。
もう、死にたい。

わたしはもう、充分頑張ったんだから

死んでもいいでしょう?

でもね、死ぬ勇気が足りないから

死ぬんじゃなくて

この世界から消えたいよ。

わたしの存在丸ごと消えて

最初から…

『鬼灯あなた』がいない世界だったら、

どんな世界だろう。

多分…いや…絶対に

何も変わらんやろうなぁ。

クズのやつはクズのまま。

わたしみたいな子がまた1人と犠牲になるだけ。

こんなクソみたいな世界

さっさと死ねばいいのに。

いや、いっそのこと

わたしが

もう死んじゃおうか。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
そしたらあいつらは後悔するかな……
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
いや、笑って喜ぶかな……笑
キィ……とドアが開く音がする。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
扉の方を見てみると

さっきまで母と一緒にいた男だった。



『あなたちゃん、だよね……?』
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
なんですか。
『へぇ、普通に可愛いじゃん。』
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
あぁ
またか。


男運が悪い母親。


そして、カミサマに嫌われているわたし。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
いやっ、離して……!
『別にいいじゃん。上で聞いていたんだろ?』

そんなこと言う男に

わたしは襲われる。


鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
死ね。
…………ドスドスと階段を上がってくる音が聞こえた。

バンッ!
母親
っあんた、また私の男を盗ったのね?!バチンッ
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
っ……
あーぁ、始まった……。

これも日常茶飯事。

襲われたのわたしだっつーの。

親なら心配しろやボケ。

絶対しないけど。
母親
お前なんか産むんじゃなかった……!バチンッ!!
毎度毎度、こんなことを言われ叩かれる
わたしの身にもなってほしいね。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
じゃあ、捨ててよ
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
わたしを殺してよ。
要らないなら、


産んだのを後悔するなら


いっそのこと、あんたの手で


わたしを殺し終わらせてよ。
母親
っ…………
大抵、こういうと母親はたじろぐ。

そして、、
母親
 ギュッ……ごめん、ごめんねっ……
わたしを抱きしめ謝る。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
…………
母親
こんなママを許して……
なんて哀れな母親 ひと
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
 ……ポンポン
母親
……!
ありがとう、っありがとう。
わたしは、矛盾だらけだ。


死にたくとも死ねなかったり


生きていたくもないから


死のうと試みる。


でも死ぬ勇気がなくて死ねない。


心の中は反抗しているのに


身体は心についていけてなかったり……


混沌としていてハッキリしない。


何とも面倒くさい人間だ。


あんなクズたちよりは全然マシだと思いはする。


今までずっと


"わたし"は


あんたらの操り人形だった。


でも、今日は少しずつ反抗してみようと思う。

鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
気持ち悪い……
母親
え?
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
離して、そして二度と男を連れて帰ってこないで。
母親
なんてこと言うの?!
私はあんたの母親なのよ??!
母親
ママが不幸になってもいいって言うの!??
あんたの幸せなんて、心底どうでもいい。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
母親なら子供わたしの気持ちを理解しなよ。
さっきまでいた弱々しい母親の姿はなく

またいつも通りの力で制圧しようとする姿だった。

ほんと、調子がいいよね。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ここから出ていって。
私の部屋で大声出さないでよ、うるさいから。
母親
バシンッ!…この恩知らず!!!!
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
 気が済んだなら、早くして。
無理やりに母親を部屋の外へ出していく。


そして、部屋の中に静寂が戻った頃……


いつから、こうなってしまったんだろうか。

……あぁ、あの日離婚からか。

父親と最愛の息子がいなくなった日から

あの人はおかしくなってしまった。

兄と父がいたとしても何も変わっていないけどね。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
ねぇ、もし
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
もしさ……
もし

この世界に

誰か一人でも

私のために涙を流してくれる人がおったらさ
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
それは、どんなに幸せなことなんかな。
もしそんな子がおるなら、
わたしは一生その子を大切にするよ。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
まぁ、おるわけないけど…w
布団に潜り込み、
明日が来ないでほしいと願いながら
眠っていく。





中学時代は同級生からのいじめで終わり

高校に入学する。

同級生が誰もいない高校に入学したわたしだったが、
いじめが途絶えることはなくてさ

あの映像がある限り
わたしは一生、あいつらのオモチャだった。

そして、その度わたしの心は死んでいく一方。

でも、とある子と出会って
わたしは、その呪縛から解き放たれてん。

初めて、私のために涙を流してくれて

初めて、友達ができた。

初めて『愛』というものを知った。

『愛』を教えてくれたあの子は

とても、とても大切な人やった。

でも、

私が2年上がったぐらいに
同級生
あぁ、その子なら死んだよ?ww
と言われた。

意味が分からなかった。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
え……?
同級生
あんたのせいで、あの子が死んだんだw
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
そんなの……うs
同級生
嘘じゃない、あんたは人殺しなんだよ。
同級生
あんた、虐められなくなったでしょ。
確かに無くなった。

毎日が解放的で幸せな気分だった。
同級生
それはね、その子があんたの代わりに虐められてたからだよ。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
っそ…そんな………
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
あ゛ぁ、あぁぁ゛ぁあ゛ぁぁあ!!!!!!
少女は、悲しみも苦しみも殺意も全部を込めて慟哭どうこくする。

その声が天にも届いたと思わせるぐらい

天気も荒れていく。
同級生
うるさいなぁ、喚き散らさないでよ。
そんな彼女の言葉も今は届かない。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
嘘やと言ってよ……
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
まだ生きとるよ……って、ドッキリって言ってや……
同級生
彼女は死んだ。
あんたが殺した。
現実を突きつけるように、同級生は言葉を重ねる。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
っ……
わたしが、コロした?


あの子を?


あんな優しくて、正義感の強いあの子を……?


なんで、どうして


そんなこと一言も言わんかったやん……


なんで1人で抱えたん?


なんで、


なんで、、


なんで!!!!


あの子がいない世界なんて


生きていても意味が無いよ……


再びわたしの心が死んでいく。
鬼灯(なまえ)
鬼灯あなた
わたしは、何のために今を生きとんの?
もう何も分からない……



分からないけど



1つ、殺らなければならないことがある。



あいつらを殺してからそっちにいくよ。



てる_________。

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