重 「 よっ、」
『 よ、』
重 「 どうぞ、お話 」
なんでそんな余裕なん?
なんで、
『 あ、あの、重岡とは付き合えない、』
重 「 うん、知ってた 」
『 え? 』
重 「 ゴメンな、困らせて。俺、知ってた 」
予想外の言葉に驚いていると
重 「 濵田が好きなんやろ? 」
『 え、いや、そんな事は… 』
重 「 絶対気づいてないと思った。
かのん、お前濵田の事大好きやで?」
『 え、? 』
重 「 喧嘩して苦しくなるのも、
いつも一緒に居るのも、好きやからやろ? 」
私が濵田を好き?
良く考えれば、
私は濵田が好き。
心のどこかで想ってたんやけど、
隠してた気持ち。
幼馴染っていう線を超えたらあかんと思ってた。
重 「 な?そやろ? 」
『 うん、』
重 「 何で泣くん、」
ぎゅっと重岡は抱き締めた私を。
重 「 1回だけ抱き締めさして 」
『 うんッ 』
重 「 そんな泣かんといてや、」
『 うんッ、 』
重 「 あなたの笑顔が大好きやねん。」
『 ありがとう、重岡 』
重 「 ほら、はよ行ってこいよ 」
『 え? 』
重 「 濵田んとこ、」
ぽんっと 背中を押されて走り出した。
ありがとう、重岡。
重 「 何やってんねやろ、俺 。
少女漫画みたいな事して、(笑) 」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。