新しい転校生に、名作は興味津々であった。
しかし、その興味もあなたの顔色の悪さに打ち消された。
そうこうしている内に、HRが終わり休み時間。
名作達からの気持ちはとても嬉しかった。
しかし、心配をかけてはいけない。
その気持ちが勝ってしまい、何も言わず、笑顔で返した。
名作たちはおかしいと思いつつも、「なにかあったら言ってね」と言っておいた。
あなたの目線は自然と姫子に向いていた。
なにをするのか、心配で堪らなかったのだ。
茫然としている内に、名作たちと姫子の自己紹介が始まっていた。
ノキオにツッコミを入れると、「あなたちゃんも自己紹介しなよ!」と振る名作。
あなたは勿論躊躇はしたものの、ここは普通に振る舞う方が良いと判断したらしい。
一瞬笑顔が消えたように見えた姫子だったが、直ぐに調子を戻した。
あなたとのすれ違い様に、一瞬だが、はっきり、ギロリとあなたを睨んだのは、名作達は知らない。
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‐放課後‐
結局皆一緒になって取りに行く名作達。
この後目の当たりにする光景を想像することなどできやしなかった。
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ノキオの言った通り、奥の方で何か音(?)がした。
どの道忘れ物を取りに行かなければならないのだが、少し急いで教室へ向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!