僕、シャー田一ホー助は今、
ある人を追いかけています。
そのある人とというのが…
そう!同じクラスの鴬梅あなたさん!
実は僕が作った謎解きをあなたさんに解いて欲しかったのですが…
なぜか逃げられてしまって…
おっと名作くん…。
あーあ、あなたさんったら、名作くんの後ろに隠れちゃって…
僕はただ、僕の謎で悩む“あなたさんの”姿が見たいだけなのに…。
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‐学校終了後‐
ふふ、びっくりしてる。「にゃあ!!」って…
可愛いなぁ…
おずおずと聞いてくるあなたさん。
不安げだなぁ。そんなにイヤですか?
あと、名作くん達はちゃんと名前で呼んでるのになんで僕だけ…?
僕が言えば、ギクッとした表情で、目を逸らしてしまった。
心無しか、声も震えている。
しかし!この名探偵シャー田一ホー助、ここまでなら想定済み!
こんな風に、あなたさんが帰ろうとしているのも!
だから…
ドン…
あなたさんを壁へ追い込み、両手をついた。
いわば、壁ドンだ。
あなたさんは相変わらず引きつったような顔だ。
顔を近付けると、ビクリと肩を震わせる。
酷いなぁどうしてそんなに怖がるんですか?
どうしてこんなにあなたさんに執着するのか、これが僕にとって難事件だった。
でも、やっと分かった。
好きなんだ、
この人が。
笑った顔も、優しいところも。
綺麗な髪も、瞳も。
嗚呼、もっと見たい。
この人のまだ知らないところも、
姿も。
もうこの感情は止められない。
これはもう事件ですね♪
でも、貴方のせいだ。
もうーー
『逃がさない♪』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。