第20話

第19段
2,351
2021/09/15 05:36
桃太郎「あ、おはようございます。あなた様」
『…お、おはようございます。桃太郎さん』
少し気まずさが残ってしまう…
白澤「おはようあなたちゃん!今日もかわいいね〜」
『おはようございます…』
と、思っているのは私だけのようだった
桃太郎「そういえば、今日はお出かけでしたよね?リュウクさんとの」
『はい。桃のカフェに』
白澤「気をつけて行くんだよ…?」
と言った白澤様の顔は寂しそうだった
『白澤様………』
『どうせ女性とあなた遊ぶんですからそんなに落ち込まなくてもいいじゃないですか…』
白澤「微妙に痛いところついてくるね…」
桃太郎「(あれ?もしかしてあなたさん気づいてない…?)」
『…お土産買ってきますから、それでいいですか』
白澤「ほんと⁉︎」
『はい』
『じゃあ、行ってきます』
白澤「いってらっしゃい」
桃太郎「いってらっしゃい」
桃太郎「…あの、白澤様」
白澤「なーに桃タローくん」
桃太郎「最近花街行ってませんよね」
白澤「そう?まあ回数は確かに減ったかなーー」
桃太郎「そうですか…(そういうもんなのか…?)」
リュウク「さて!じゃあ楽しもうか☆」
『いえーす』
私はリュウクさんと桃パフェを頼んだ
『…リュウクさんも、生前は人間だったのですか?』
リュウク「ううん、神様やってたんだ」
『神様…』
リュウク「でも、飽きちゃったからアイドル始めたんだよね。みんなすぐ僕にときめいちゃうし?」
『……』
リュウク「まあ、本当は現世で妖怪とかそういうのに転生するのもよかったんだけどね。会いたい子がいたんだ」
『会いたい子…ですか』
リュウク「いつも人のために役に立とうとしてた子なんだよ。一目惚れってやつなんだろうね」
『リュウクさんでも、一目惚れするんですね』
リュウク「もちろん」
リュウクさんはニコニコしていた
『でもそれなら、どうして会いにいかなかったんですか?』
リュウク「会う必要がなくなったのさ」
『?』
リュウク「だって、もう目の前にいるし」
『…え』
一目惚れってまさか…
リュウク「さて、今度は僕の番だね」
リュウク「どうして自殺なんかしてしまったのかな?あなた」

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