第35話

第33段
1,435
2022/06/03 09:46
『私は成長期です!』
?「嘘つけ……どーせ俺より歳下だろ」
『14歳です!』
?「なっ、嘘にもほどが『本当です!』」
私が全否定すると、男の子は頭を掻きながら「わーったよ」と言って、認めてくれた
『____そんなことより。なぜここにいるのです?ここはプライベートビーチばかりですし…』
?「あっちにフツーの海水浴場があんの」
男の子が指を刺す方向へ顔を向けると、ずらりと並ぶ色様々なテントが見えた
『____本当ですね』
?「で、お前はなんなの」
『私はプライベートビーチの方に居ました。ちょうど飲み物をと思って』
?「…ふーん」
『………』
どうしよう、もう去っていいのかな…
私は動かそうとした足をピタリと止める
もしかして……
『迷子なんですか…?』
?「ばっ……!ンなわけないだろ!!」
『ですが、普通の海水浴場からだいぶ距離が離れていますし……人混みの多い中、ご両親を見つけるのは難しいと思いますが…』
?「〜〜〜っ!!馬鹿にしてんのか!!」
『えっ!?いえっ、決してそんなことは……』
?「……これくらい、ひとりでできる」
『……』
手ぶらのようだし、手持ちのお金もない……
『____あの、よければお昼ご飯を一緒にどうですか?』
?「は?なに?逆ナン?」
『いえ、そろそろお昼の時間ですし。これからバーベキューするんです』
?「いいよ別に。俺はこれから」
そう言いかけた男の子のお腹から、グギュゥうぅ…‥という音が聞こえた
『……』
?「……食べます」
『では、いきましょうか』
私は男の子の手をとって歩き出した
?「!?///な、なんだよ!離せっ!//」
『また逸れてしまえば大変ですし、少しの辛抱ですから』
しばらく歩いて、と言っても数分ほどだが、先ほどのビーチに戻ることができた
お香「あら、あなたちゃん?その子は……」
『この子も一緒に、バーベキュー食べていいですか?』
お香「いいけど……」
?「〜〜〜っ……///」
お香「あらあら……」
『どうかしましたか?』
お香「ううん、なんでも」
お香さんはそう言って微笑んだ
すると遊んでいた閻魔大王達が集まってきて、本格的にバーベキューが開始された
?「…なあ」
『はい?』
?「お前、何者……?」
『え?』
?「子供誰もいねえじゃねえか!!」
茄子「一応俺たち成人してるからねー」
?「どういうことだよ?!」
『………』
『親戚の集まりッ……』
?「目を逸らすな!!」
マキ「まあまあ!とりあえず、はい」
マキさんが男の子に串に刺さった野菜やお肉を渡した
マキ「まずは食べよ??」アイドルスマイルゥゥ
?「……うるっせー、おばさん」
マキ「おばっ……こんのガキ…」
?「ふんっ……」
『え、えと……』
どうしよう……
白澤「やあやあ!遅れてごめんね〜」
桃太郎「遅いですよ白澤様」
『!?』
白澤様が来た驚きよりも白澤様のファッションセンスの驚きが勝ってる…!!
?「ジジィくせぇ……」
鬼灯「本当にファッションセンスが皆無に等しいですよね」
白澤「登場して早々ディスってくんな」
それから、しばらく遊んだり食べたりを繰り返して…
男の子も楽しそうで何よりでした
『よかったです。元気が出て』
?「元気って、別に落ち込んでたわけじゃ…」
『ですが、御両親と来たというのは嘘ですよね?』
?「…えっ?」
『あなた、一人でここに来たんですよね?』
?「………」
『………』
?「……喧嘩した。母親と」
『喧嘩…ですか?』
?「いちいちクヨクヨすんなって言われたんだ」
『…あの、私が聞いていいことなのかわからないんですけど、何があったんですか…?』
?「……姉ちゃんがいたんだ。明るくてうるせー奴だけど、でも部活ではエースでみんなの人気者で」
?「……この前の震災で、死んだんだ」
『!!』

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