第4話

レストラン
1,314
2018/01/24 21:56
ドキドキ…。


うぅ、なんか、雰囲気が…。


家では焦ってたから考えてなかったけど、これから、新しい家族に会うんだもんね…。


車から降りてレストランに入ったら、緊張してきちゃった…。


って、このレストラン…。


明らかに高いじゃん!


ここ、テレビで見たことあるよ?


フランスのすごいシェフとパティシエが何人もいるって。


確か、三ツ星貰ったとこだよね…。


それだけでもう、緊張。


「こちらになります。」


ウェイターさんのあとに続いて歩く。


うわぁ…


ここで食事してる人達、どれだけお金持ちなんだろう…


身につけてるもの全てが上品で高価そう…。


毎日こんなところ来てるのかな…?


「こらあなたっ、キョロキョロしないのっ」


「あ、は、はいっ…」


コソッとお母さんに注意されちゃった。


だってさぁ…


初めてなんだもん、こんなとこ。


一応、それらしくみえるようにフォーマルな服を着たつもり。


ピンクのワンピースに黒のジャケット。


まさかいとこの結婚式に着ていった服をこんな形でまた着るとは…。


「…こちらになります。」


そう案内されたのは中央に長方形のテーブル、周りに8個の椅子が並べられた部屋。


「お荷物はあちらをお使い下さい。

それでは、ごゆっくりどうぞ。」


ウェイターさんは私たちに一礼して部屋を出ていった。


まだ、幸一さんたちは来ていないよう。


「こ、個室なんだね…」


私は奥にある台にバッグと脱いだコートをを置きながら言った。


等間隔に壁につけられたオレンジのライトがまた高級感を醸し出している。


「そうよ〜、その方が気楽でしょう?」


お母さんも私と同じように荷物を置いた。


「まぁ…そうだね…。」


いや、高級店で食事する時点で気楽ではないけどね…。


「あ、お母さんっ…

幸一さんの苗字って…ー」


きっと私の苗字が変わるんだろう。


聞こうと思った時、コンコンッとドアをノックする音が聞こえた。


「失礼します、お連れの方がお見えになられました。」


さっきのウェイターさんがドアを開けそう言った。


来たっ…!


ドアの向こうで男の人がウェイターさんと話す声。


遠くて聞こえない。


お母さんがドアの方に行き、私も後ろから付いていく。


ウェイターさんは、かしこまりました、と男の人に向けて言い、私たちにも一礼したあと戻って行った。


そして…


「こんばんは」


そう言いながら、男の人が部屋に入ってきた。


この人が…新しいお父さん…!


「…え?」

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