第6話

失恋と再会
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2018/01/25 10:20
「あなたさんって…キミ?」


勇我くんが私に紙を見せる。


コクっと私は頷いた。


『放課後、中庭のベンチに来てください。あなた』


そう書いた紙を、勇我くんの下駄箱の中に入れておいた。


彼が持っていたのはその紙。


ドキドキ、緊張してる。


どうしたの、と言わんばかりに勇我くんは私を見ている。


早く、言わないと。


「…好きです。」


初めての告白。


とにかく緊張した。


緊張しすぎて、顔を見れなかった。


「前から…勇我くんのことが好きでした。」


言っちゃったらもう後戻りはできない。


逃げたい気持ちでいっぱいだった。


だって、分かってた。


「ごめん。」


振られちゃうってこと。


勇我くんは静かに言った。


「オレ、あなたさんのことよく知らないから。」





ーそんな淡白な振られ方だった。


そりゃそうだよ。


私、一目惚れしちゃったんだから。


話したこともない、最初は名前も知らなかった。


3ヶ月くらいの片想い。


でも、勇我くんの会長立候補演説を聞いた時に、顔と名前が一致した。


だから、告白した。


振られるのは分かってた。


なんで告白したんだろうね、私。


今思えば軽率だけど、その時は、2週間前の私は、想いを伝えたくて、伝えるだけで十分で…


私の存在を知って欲しくて…


その一心だったんだと思う。


まさか、兄妹になるなんて、思ってもみなかったから。


「ん?

どうした、2人とも固まって。」


理事長が私たちを交互に見て言う。


そこ…あまり突っ込まないでください…。


「いや、久しぶりだなぁと思って。

1年の頃、少し話したことがあって。」


「!」


驚いて勇我くんの方を向く。


私たち、はじめへ話したのがあの告白の時なのに…。


「そうか、なら良かった!

これから兄弟になるんだし、仲良くな!」


理事長が笑いながら言った。


「は、はいっ…!」


うぅ…。


先が思いやられる〜…。


それにしても…今は、勇我くんのウソに助けられた。


よくあんな笑顔でウソが…。


「勇我、直哉たちは?」


「あ、もうすぐ来るよ。

怜我がトイレ連れてってる。」


直哉…?


たち…?


怜我…?


ーガチャ


私が違和感を持ったとき、ドアが開いて男の子が入ってきた。


1、2、3、4。


えっ…。


なに、五人兄弟!?


多くない!?

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