第25話

♚〜過去の話2〜
316
2020/03/13 14:22
数日が過ぎ、また気分転換のついでにあのカフェに立ち寄った。
ミンソン
お!あの時のお客さん!いらっしゃい!
あなた

こ、こんにちは…

まだ来て二回目だと言うのに覚えていてくれたことに少し喜びを感じた。
ミンソン
今日は何にする?
あなた

じゃあ、アイスココアで

ミンソン
アイスココアね!
お店の中は誰もお客さんが居なくとても静かだった。
持って来ていた本を出し読んでいるとすぐにアイスココアが来た。
ミンソン
はい、アイスココアです。
それ、なんの本?
あなた

小説です。

ミンソン
どんなお話なの?
あなた

2人の男女が主役で、女性が事故でなくなってしまって時間を巻き戻して男性が彼女を助ける物語です。

ミンソン
恋愛ものなんだね
あなた

はい…

ミンソン
君は、誰かに恋でもしてるの?
あなた

え?

突然聞かれてすぐには答えられなかった。
でも、一瞬目の前にいる店員さんの顔が思い浮かんでしまったのは気のせいだと思いたい。
あなた

いいえ、居ませんよ。
今受験生で…

ミンソン
そうなんだ、じゃあ僕より1歳下ってことか
あなた

高一ですか?

ミンソン
そうだよ!高校1年生のユ・ミンソンです!
あなた

ミンソンさん…

名前を知って少し嬉しいと思った。
ミンソン
そう!君の名前は?
あなた

私は、イム・あなたです。

ミンソン
あなたちゃんか…いい名前だね
そう言って笑った時の顔はとてもかっこよかった。
ミンソン
僕も、本が好きなんだ。おすすめの本とかあったら今度貸してよ!
あなた

良いですよ。じゃあ次来た時におすすめの本を持ってきますね

自然な流れで次の約束をしてしまった。
ミンソン
ありがとう!じゃあそろそろ仕事に戻らないと
そう言って、厨房のある方へ戻って言った。
私も栞を挟んだ所からまた本を読み始めた。
本の物語の中では2人は結ばれるようなハッピーエンドでは終わらなかった。
自分の身と引換に彼女を助ける…
それがこの物語のラストシーンだ。
悲しい恋の物語……
自分の恋もこんな終わり方をしてしまうんじゃないのかそんな風には考えてしまう。
あなた

💭恋なんてしてないはずなのに可笑しいな……

まだ、気づきたくなかったんだと思う。




大事な受験の時だから、この感情に気づいたらきっと受験なんてどうでも良くなっちゃいそうで…
とっても怖かったんだ…






to be continued…。

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