数日が過ぎ、また気分転換のついでにあのカフェに立ち寄った。
まだ来て二回目だと言うのに覚えていてくれたことに少し喜びを感じた。
お店の中は誰もお客さんが居なくとても静かだった。
持って来ていた本を出し読んでいるとすぐにアイスココアが来た。
突然聞かれてすぐには答えられなかった。
でも、一瞬目の前にいる店員さんの顔が思い浮かんでしまったのは気のせいだと思いたい。
名前を知って少し嬉しいと思った。
そう言って笑った時の顔はとてもかっこよかった。
自然な流れで次の約束をしてしまった。
そう言って、厨房のある方へ戻って言った。
私も栞を挟んだ所からまた本を読み始めた。
本の物語の中では2人は結ばれるようなハッピーエンドでは終わらなかった。
自分の身と引換に彼女を助ける…
それがこの物語のラストシーンだ。
悲しい恋の物語……
自分の恋もこんな終わり方をしてしまうんじゃないのかそんな風には考えてしまう。
まだ、気づきたくなかったんだと思う。
大事な受験の時だから、この感情に気づいたらきっと受験なんてどうでも良くなっちゃいそうで…
とっても怖かったんだ…
to be continued…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。