第6話

【第一章】#5
226
2024/04/01 08:42
I side




手を伸ばした先は、天井だった。
周りを見回すと、少し散らかった、いつもの俺の部屋。窓の外はまだ暗く、三日月が光っている。






I
I
夢…か
でも、夢にしては、結構はっきりと覚えている。
舞い散る桜も、真っ暗なトンネルみたいな場所も。
そして、ピンク色の髪をした青年も…。







時計を見ると、時間はまだ、夜中の3時。
I
I
でも、今日は俺がりうらのお見舞い行く日やしな…
りうらがおかしくなってから、そろそろ5日がたとうとしている。
俺たちはあの後、病院へ行き、りうらは
"ストレスなどにより、架空の人物を作り上げている"
と診断され、今は病院で入院している。
りうら以外の俺たちメンバー4人は、
アニキ→ほとけ→俺→初兎の順番で、一人ずつお見舞いに行っている。


「りうら」の個人活動、そして「いれいす」の活動は、しばらく休止。





大切なメンバーが、頭が狂うまで気づかなかったなんて…
ほんと俺、リーダー向いてないよな。










L
L
なんでッみんな、わからないのッッッ…!?
L
L
リーダーを、大切なリーダーをッ…!












あの時のりうらの言葉が思い出される。


りうらの中では、『ないくん』がリーダーになっている。
ということは、りうらの中では架空の人物のほうが俺よりリーダーに向いているってことになる。
俺が、リーダーに向いていないから。
りうらは、俺がリーダーに向いていないから、架空のリーダーを作り出してしまったんじゃないか。
この頃、ずっとそんな考えにとらわれてしまっている。








俺のせいで…




俺のせいで、りうらは…。










チッ♪チチッ♪チチッ♪チチッ♪チリリリッ♪チリリリッ♪チリリリッ♪チリリリッ♪チリリリリリリリリリリリリッ♪
騒がしい音を立てて、時計が鳴る。
時間は気がついたら5時半になっていた。


I
I
…用意、するか。








































??
…本当に、これでよかったんか…?
??
これが、本当に----のためになっているんか…?
??
…いっそのこと、僕を殺してしまえば…
??
俺は楽に生きられるんやけどなぁ…w

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