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第3話

卒業~君からも、今からも~
「歩夢?」
それから歩夢は現れなくなった。
あっという間に今日は卒業式だ。卒業式では涙が止まらなくてタオルを持ってきて良かったと自分を誉めた。そうして卒業式が終わり、写真を撮っていた。
桜の下・・・風に乗ってきたかのように君は現れた。
「歩夢!」
「ごめんね。最後に伝えたくて。もう死んでるんだ。」
え。 とそれは、声にならないほどの衝撃だった。
「あなたに好きって伝えたかったんだ。」
「あ、あ・・・。」
あぁ私はなんで気づかなかったのか。悔やんでも悔やみきれない後悔がのしかかってきた。そのあとに歩夢は悲しげに話を続けた。
「でも忘れて。そうしないとあなたは新しい一歩、踏み出せないでしょ?」
「泣きながら言われても意味無いよぉ・・・。」
涙が溢れて溢れて、まだこんなにあったのかというくらい止まらなくて。二人で桜の下で泣いていた。今は偶然ここには二人しか居ない。その時間がいつまでも続いて欲しかった。しかし、歩夢がポゥと光出して足元から消えていった。
「やだ、消えないで・・・。いかないで。」
「ごめん。ごめん。僕は桜の木になって君を見てるから大丈夫。一人になんか絶対しない。あなたありがとう。ありが--」
強い光に包まれた歩夢は私の前から姿を消した。言葉を言い終わる前に。
私の目から溢れる雨は止むことを知らず、一度濡れたタオルを、また濡らしてしまった。か細い声と共に私は桜の下に座り込んだ。その時、風が吹いて、桜が吹雪となって私のもとに舞い降りた。
『頑張れあなた。幸せになって。』
「えっ」
と振り返っても誰も居ない。でも、声の主は桜であり
「歩・・夢・・・。」
であろう。
私は止まらない涙をタオルで拭き、立ち上がった。そして桜を目の前に、
「頑張るよ。ありがとう。ありがとう。さよう・・・なら。」
そう言い残して歩き出した。歩夢に届きますように。歩夢も幸せで居てくれますように。

温かい夕日が包み込むように私を照らし、自然と心は暖かくなった。