あれから車内では私たちが話すことはなかった。両親は仕事ばっかりでどこにいようが心配されたこともない。

そんな雰囲気を察して、店長は何も聞いてこなかった。

店長に手を引かれ、驚くほど高いマンションに連れられていった。


エレベーターに乗っている時も、店長は手を離さないでいてくれた。

これから私どうなるんだろ。別にいいや、店長になにをされても。店長はモテるから、今日が終わったら元の関係に戻るだろうし……。

経験も無いくせに、その場のノリで店長を誘ってみた。ああ、、なにやってんだろ

そう言って後ろから抱きつく。

グイッ

そのままお姫様抱っこをされ、寝室へ連れてかれた

覚悟を決めて、目をつぶった。


















ドサッ

布団。なんで。今から抱いてくれるんじゃなかったの。

そう言えば絶対手を出してくる。もう優しさなんかいらない

ギュッ

温かい。


久しぶりに感じた温もりに、何故か涙が溢れてきた

その夜は。今まで感じたことの無い幸福感と安心感を抱いて深く眠りについた。













ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
翌朝

店長がいない。どこ行ったの。


突然悲しみがおそってきて、ベットから飛び起きた。無駄に広い部屋をいくつもまわりながら、リビングに行くと、

なんでリビングで寝てるの。少し拗ねながら店長に抱きついた。

そのままソファーに押し倒された。
手首を痛いぐらい掴まれて、また口づけをされた。

そう言うと店長は私から退いてくれた。

それから何事もなかったように朝ごはんを作ってくれて、家まで送ってくれた。

少し怒り気味で車から降りれば

そういって車を発進させた

ああ。次のシフト、行きづらい。