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第1話

それぞれの恋し方。
801
2018/07/13 14:57
足音も無く、屋上への階段を登る。もう、大失恋である。すると、目の前に扉が現れた。屋上への扉だ。開けようとする。が、風の力なのか、なかなかに重たい。なんとか開けると、今まで扉を抑えていた風が、私を避けて中に入っていく。風の抵抗が無くなると、学校全てが見渡せるところまできた。身を乗り出す。サッカー部、野球部、吹奏楽部、そして、団長がいない應援團。なぜ団長があの場所にいないのかが不思議だが。まあ、好都合である。どうせ、みんな集中していて私には気づかないだろう。思いっきり息を吸い、お腹に力を込めて。
「このやろうシルク!!!!大好きだっ!!!!!!」
「俺も。お前のこと、大好き。」
不意に、後からそんな声が聞こえた。誰かと思い、勢いよく振り返る。目は涙で少し霞んでいたが、その人のことを、私がわからないはずがない。
「し、、、シルク!?」
こ、、、これって、私から告白したことになっちゃうんですか!?

帰り道。急に彼女がある一点を見つめたまま立ち止まる。その視線を追いかけていくと、そこには、楽しそうに談笑しているシルクと○○の姿があった。
「あれ、、、?あの子、、、」
と、○○を指さした。「あぁ、○○な。」と、テキトーに返事をする。
「あの子はマサイが好きなんじゃ、、、」
最初は言っている意味がわからず、
「○○の好きな人はシルクだけど、、、?」
と返すと、
「はぁ〜!!よかった〜!!!」
と満面の笑みで言われた。どうやら俺が相談にのっているところを目撃してしまったらしい。ただ相談にのっていただけだと伝えると、さらに笑顔になる。なんてかわいいやつなんだ。
「もうっ!マサイ好きっ!!!」
「俺もっ!!!」
このあとは他愛もない会話をして歩いていった。

教室から窓の外のグラウンドを眺めていた。おもに應援團を見ていた。すると、突然ドアの開く音が聞こえた。
「あ、まだいたんだ。」
声のしたほうに振り向くと、そこにはンダホがいた。
「あぁ、ンダホ。ちょっとね、用事があって。」
「どーせ、應援團なんか見てたんでしょ?それよりも野球部見てよ。」
ユニフォーム姿でなにかを探しながら私にそんなことを言う。
「うん、じゃあ見たくなったら見るよ。」
應援團が帰ってからでも見るか。そんなことを思っていると、
「俺、今年は甲子園に行くから。だから見てて。もし甲子園まで行けたら、、、お前に言わないといけないことがあるから。気になるなら応援してよ。」
そう言って水筒を持ち、「じゃあ、戻るね。」と残して教室を去っていった。
心臓がドクッ、ドクッと波打っている。破裂しそうだ。
そのあとは自分でもびっくりするぐらいンダホしか見ていなかったことは内緒である。

応援の練習が休憩に入ったので、教室に戻ってきた。そこには、寝ている△△がいた。△△の前の席に座り、△△の頭を撫でた。すると、
「ん、ん〜、、、」
と△△を起こしてしまった。
「あ、モトキ、お疲れ〜。」
ふにゃっとした笑顔を向けて、ねぎらってくれる△△。
「さっきまで應援團みてたんだけど、、、んっ」
その姿が可愛くて、おもわずキスをしてしまった。角度を変えて、何度も。
「はぁ。元気でた。疲れもふっとんだ。」
「ほ、ほんと、、、?」
照れながらも笑顔を向けてくれる△△。
「じゃあ、もうちょっと頑張ってくる。」
「うん!」
△△の返事を聞き、もう一度頭を撫でて教室をでた。

「おつかれー!」
応援練習終わりのダーマに声をかける。
「おう、ってかお前今日ずっと見てただろ笑」
少しばかにされているような声。でも話せているだけで嬉しい。
「うん!だってかっこいいんだもん!」
「はいはい笑先輩っちのことは今はいらないから笑」
実を言うと、確かに団長のシルクさんとかはかっこいいと思うけど、私がずっと見ているのは君なんだよ。でも、ダーマには私のことが見えてないみたい。LINEの返事も遅いし。違うクラスなのがすごい悔しい。なかなか話せなくて、今日が2日ぶりである。かれのクラスにはやはりかれを好いている子がいるようで。
「来年も應援團続けるの?」
「んー、どーしよ。」
きっと君に私は見えていない。しょっぱくなりそうな、高1の夏。

1つの教室から、金管楽器の音が聞こえる。これは、應援團の曲だ。相当上手いので、大体誰か予想がつく。
「✕✕〜!」
「あぁ!ぺけ!おつかれ〜!応援練習終わったの?」
声をかけると、わざわざ楽器を置いてこっちまで来てくれる。と思いきや、そのまま抱きつかれる。
「あ、汗臭いかも」
それが心配で少し距離を取ろうとするが、
「ん〜ん!大丈夫!ぺけはいい匂い!」
と言い出したので、まあいいかと違う話題に変えた。
「今日部活長いの?」
「もう終わったよ!ぺけ待ってたの!」
なるほど。だからこの教室だけから音が聞こえてきたのか。ん?ということは
「結構な時間待たせたよね!?すぐ支度するから!一緒にかえろ!」
「うん!」

団長のシルクが急なサボりをしたために、副団長の俺が仕切ってました。もう、なんでいないの!?一応先生には「急用ができたらしい」って伝えたけどさ。明日怒ってやろ。
俺たち應援團は1年に人気がある。毎年そうだ。そして今年の1年の中に、気になる子が1人いる。いつも應援團の放課後練習を見に来てくれる。ほら、今日もいる。
「ザカオさーん!!」
そしていつもこうやって声をかけてくれるのだ。応援のために配られたメガホンを振り回し、手を振ってくれる。名前も教えてもらっている。
「部活終わったの?」
「はい!友達と見に来ました!」
いつかLINEもらって、告白しよう。でも、年下を好きになるってど〜なのかな、、、。そんなことを考えながら▽▽を話をした。

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