焜炉が声をかけると、空緒桜は一瞬肩を揺らして恐る恐る顔を上げた。
焜炉が謝ると、空緒桜は黙って首を横に振る。
焜炉の横で、第8は静かに空緒桜を見守る。
紅丸は静かに呼びかけると、そっと空緒桜の顔を覗き込む。
紅丸の言葉に、空緒桜は僅かに表情を歪める。
それを見た焜炉は、意を決したように拳を握ると、空緒桜の前に膝を着いた。
空緒桜は目を丸くして焜炉を見る。
空緒桜はしばらく見つめると目を伏せた。
空緒桜が言うと、焜炉は困ったように眉を下げる。
焜炉が言葉を選んで口を開くと、それに被せて紅丸が声をかけた。
一方で、聞かれた空緒桜は呆然として紅丸を見る。
空緒桜はその質問に対して考えるように拳を握りしめる。
グイッ
紅丸はそう言いながら、空緒桜に向き合って目を合わせた。
その言葉に、空緒桜はゆるゆると目を見開き、次第に目を潤ませた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。