第22話

①𝙽𝙸𝙽𝙴『名前』
4,351
2023/04/19 15:24
森羅
森羅
あ、あの!
如月空緒桜
如月空緒桜
森羅
森羅
俺、しん…日下部森羅です!あなたは…
如月空緒桜
如月空緒桜
空緒桜は目を丸くすると、すぐに頬を緩めた。
如月空緒桜
如月空緒桜
…空緒桜…如月空緒桜です。わざわざ原国式の呼び名で、ありがとうございます。
森羅
森羅
いいいえ、そんな!こちらこそ……/////
森羅は思わずにやけてしまう。
如月空緒桜
如月空緒桜
あ…緊張ですか?
森羅
森羅
(近っ……!/////)
空緒桜が森羅の顔を覗き込んだ。森羅の顔が赤くなる。
森羅
森羅
ッ!ち、違います!これは、何でもないですっ……/////
如月空緒桜
如月空緒桜
そうですか?
森羅は慌てて顔を隠した。
森羅
森羅
(空緒桜さんか…名前も可愛いな……/////)
如月空緒桜
如月空緒桜
そんなことを考えていると、不意に空緒桜が目を伏せた。
森羅
森羅
?どうかしましたか?
如月空緒桜
如月空緒桜
あ、いえ…
空緒桜はしばらく視線をさ迷わせると、遠慮がちに顔を上げた。
如月空緒桜
如月空緒桜
その…私、初めて会った森羅さんに酷いことを…
森羅
森羅
へ?
森羅はキョトンとして記憶を遡った。
森羅
森羅
(初めてって…ああ!)
森羅
森羅
あの…首絞めのこと、ですか?
如月空緒桜
如月空緒桜
…、
森羅が聞くと、空緒桜は上着を握りしめた。
如月空緒桜
如月空緒桜
〜〜ッやっぱり気にしてますよね!本当にすみません!私、若を悪く言っていると思うとすぐに手が出てしまって…!
森羅
森羅
い、いえ!大丈夫です!
森羅は空緒桜の言葉に苦笑いを浮かべた。
森羅
森羅
(うわぁ…やっぱりこの子、新門大隊長のこと大好きだな…わかってたけど)
如月空緒桜
如月空緒桜
すみません…なんなら同じように私のこと締めても構いませんから…
森羅
森羅
ぅえ!?そんなことしませんよ!?
森羅は安心させるように笑いかけた。
森羅
森羅
あれはほとんど俺が悪いですから。
如月空緒桜
如月空緒桜
…怒ってないんですか?
森羅
森羅
全く!むしろ俺が謝らなくちゃいけないっていうか…とにかく空緒桜さんは気にしないでください!
如月空緒桜
如月空緒桜
…ふっ
空緒桜はじっと森羅を見つめると、小さく笑った。
森羅
森羅
え、今笑うとこありました?
如月空緒桜
如月空緒桜
いえ、その…ふふっ
森羅が首を傾げると、空緒桜は笑いながら森羅を見た。
如月空緒桜
如月空緒桜
…空緒桜。
森羅
森羅
え?
森羅が聞き返すと、空緒桜はトン、と家に上がって森羅を振り返った。
如月空緒桜
如月空緒桜
名前。空緒桜でいいよ…森羅。
森羅
森羅
ッッ!/////
突然のことに、森羅は顔を真っ赤にした。空緒桜はそれに気づかず中へ進んだ。
如月空緒桜
如月空緒桜
またね、森羅。
森羅
森羅
あっ…
森羅が言葉を発しようとすると、空緒桜は肩を竦めた。
如月空緒桜
如月空緒桜
敬語もなくていいよ。私…森羅なら、許せる気がする。
空緒桜はそれだけ言って笑うと、奥の部屋へ消えていった。
森羅
森羅
残された森羅は、ヘナヘナと床に膝を着いた。
森羅
森羅
なんだあいつ…天然かよ……/////
森羅は声を出さずに唸ると、額を押さえて口角を上げた。
森羅
森羅
空緒桜、か…
→𝑁𝐸𝑋𝑇

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