空緒桜は目を丸くすると、すぐに頬を緩めた。
森羅は思わずにやけてしまう。
空緒桜が森羅の顔を覗き込んだ。森羅の顔が赤くなる。
森羅は慌てて顔を隠した。
そんなことを考えていると、不意に空緒桜が目を伏せた。
空緒桜はしばらく視線をさ迷わせると、遠慮がちに顔を上げた。
森羅はキョトンとして記憶を遡った。
森羅が聞くと、空緒桜は上着を握りしめた。
森羅は空緒桜の言葉に苦笑いを浮かべた。
森羅は安心させるように笑いかけた。
空緒桜はじっと森羅を見つめると、小さく笑った。
森羅が首を傾げると、空緒桜は笑いながら森羅を見た。
森羅が聞き返すと、空緒桜はトン、と家に上がって森羅を振り返った。
突然のことに、森羅は顔を真っ赤にした。空緒桜はそれに気づかず中へ進んだ。
森羅が言葉を発しようとすると、空緒桜は肩を竦めた。
空緒桜はそれだけ言って笑うと、奥の部屋へ消えていった。
残された森羅は、ヘナヘナと床に膝を着いた。
森羅は声を出さずに唸ると、額を押さえて口角を上げた。
→𝑁𝐸𝑋𝑇
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。