しかし…
尚空緒桜は眉を下げて受け取ろうとしない。
本当に大丈夫ですよ。それに、貴方が食べていないのにこちらは食べるとなると、我々は少し気が引けてしまいます。
えっ
律儀な空緒桜は、声を漏らして狼狽えた。
え、ぅ…そう、ですか…そういうことでしたら…
空緒桜はまだどこか遠慮がちに、小さめのお菓子を桜備のものから取った。
桜備さんのお菓子でしたのにすみません…
私があげたいだけですから。
空緒桜は申し訳なさそうに口にお菓子を運んだ。
!…
すると、たちまち空緒桜の表情が明るくなった。
(なるほど…甘いものが好きなのは本当らしい)
その様子を見た桜備は小さく笑った。
こうしてしっかりと話をするのは初めてかもしれませんね。
!ええ、そうかもしれません。
あなたの好みを知れてよかった。今度来る時には、甘いものを持って行きます。
えっ、いえそんな!
遠慮しないでください。我々はもう友です。友の喜ぶものを持って行きたいじゃないですか。
そうですか…桜備さんは優しいですね。
!……/////
桜備の言葉に、空緒桜は嬉しそうに微笑んだ。その表情を見た桜備は何となく心臓が跳ねた。
?顔が赤いようですが…
へっ!?い、いえ!!何でもないです!!…/////
桜備は慌ててそっぽを向いた。
(いかん…不覚にもときめいてしまった。新門大隊長に殺されるな…)
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