第110話

《27》不可解なこと
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2023/04/21 07:34
新門紅丸
新門紅丸
どういうことだ。
紅丸が町人に聞くと、町人は困ったような顔をした。
町人
俺らも訳わかんねぇんだよ。近所で友達と喋ってたら、いきなり隣の家が燃えたんだ。
森羅
森羅
”焔ビト”が出たんじゃないんですか?
町人
俺らも慌てて様子を見たよ。けど、その家は空き家で…遊んでた子供の可能性も考えたんだが、その時は誰もいなかった。
アーサー
アーサー
家が勝手に燃えたのか?
顔をしかめて言うアーサーに、紅丸は怪訝そうな顔をする。
新門紅丸
新門紅丸
チッ…まためんどくせぇことになったな。
森羅
森羅
ですね…被害者である”焔ビト”が出てないのは幸いですが…
新門紅丸
新門紅丸
…?
森羅の言葉に、紅丸はふと空緒桜を思い出した。
新門紅丸
新門紅丸
…”焔ビト”はいるはずだ。
森羅
森羅
え?
森羅が不思議そうにすると、紅丸は表情を険しくした。
新門紅丸
新門紅丸
アオが腕の痛みを訴えてきた。
森羅
森羅
!それって…
アーサー
アーサー
”焔ビト”が出た合図か…
森羅とアーサーも真剣な顔つきになる。



『…普通では、ないのかもしれません』



新門紅丸
新門紅丸
紅丸は、近くで立ち上る煙を見据えた。
新門紅丸
新門紅丸
アーサー。お前は町のみんなの避難と崩れた瓦礫の処分だ。
アーサー
アーサー
この俺を雑用に使うとは…
新門紅丸
新門紅丸
グチグチ言わねえで従え。森羅、お前は空から”焔ビト”を探せ。俺も探す。見つけたら、どんな方法でもいい。俺に知らせろ。
森羅
森羅
はい!
紅丸はそう指示し、町人を見た。
新門紅丸
新門紅丸
お前はいつも通り、引き続き町の奴らに知らせろ。ある程度したら焜炉も来んだろ。
町人
おう!任せろ!
町人が頷くのを確認し、紅丸と森羅は空へ、アーサーは下へと降りていった。
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