第133話

《50》価値
1,086
2023/04/21 10:31
隊員の言葉に、空緒桜は足を止める。
隊員
あんなん絶対貧乏だろ!
隊員
助けるだけ無駄だわーww
隊員の声が嫌に頭に響く。
如月空緒桜
如月空緒桜
(…何を…言ってるの…?)


──”貧乏”?

──”助けるだけ無駄”?


隊員
世の中、金が全てだよなー。
隊員は、タバコを口に咥えてカチッと火をつけた。
隊員
金のない奴らなんて助ける価値ねぇーよw





プツッ







如月空緒桜
如月空緒桜
自分の中で何かが切れて…気づいた時には、消防隊を壊滅させていました。
目を伏せる空緒桜に、みんなは言葉を失った。
桜備
桜備
(なんて…卑劣な隊員なんだ…ッ)
環
以前の第7特殊消防隊…そんな人達だったなんて…
火縄
火縄
…クズが(ボソッ)
茉希
茉希
酷い……
森羅
森羅
……ッッ
アーサー
アーサー
本当に消防隊かよ…
それぞれが思う中、人一倍怒りを持つ者がいた。
焜炉
焜炉
新門紅丸
新門紅丸
…チッ
焜炉と紅丸だった。焜炉は険しい表情で拳を握りしめ、紅丸は苛立ったように舌打ちをする。
如月空緒桜
如月空緒桜
その後、別の消防隊が来て火消しをしてくれましたが…私には、もう消防隊を信じる事はできませんでした。
空緒桜は歯を食いしばって紅丸に寄りかかった。
如月空緒桜
如月空緒桜
…黙っていて…ごめんなさい…ッ
新門紅丸
新門紅丸
…いい。お前が謝ることなんてねぇよ。
紅丸は空緒桜の頭を撫でて顔を上げた。
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