第131話

《48》仕事
1,080
2023/04/21 10:28
───6年前




ゴォォォオオォォ

如月空緒桜
如月空緒桜
空緒桜は、目の前で燃え盛る家をただただ見つめていた。
如月空緒桜
如月空緒桜
(…何が、起きたの…?いつもみたいに母さんに叩かれそうになって…そしたら…)


──母さんが…燃えた…?


空緒桜は、咄嗟に玲桜が着せてくれた上着をギュッと握りしめる。
如月空緒桜
如月空緒桜
(何だっけ…”人体発火”…?えっと…どうしたら…消防隊…?)
空緒桜は混乱しながらも必死に考えを巡らせる。
隊員
どこだよー。
隊員
お、あそこじゃね?
如月空緒桜
如月空緒桜
…!
そんな時、遠くの方からそんな話し声が聞こえてきた。
隊員
こっちは疲れてんのに…
隊員
とりあえず鎮魂しちまおうぜー。
如月空緒桜
如月空緒桜
(鎮魂…特殊消防隊…?)
空緒桜はヨロヨロと歩いて彼らに近づいた。
如月空緒桜
如月空緒桜
…あ、の…ッ
隊員
声をかけると、気づいた隊員が目を丸くする。
如月空緒桜
如月空緒桜
あのッ…母さんが、突然燃えて…家に、兄さんがまだいて…!
隊員
空緒桜の言葉に、隊員は顔を見合わせた。
隊員
え、あの家のガキ?
隊員
そうなんじゃね?
隊員
生存者いるってことか?…めんどくさ。
如月空緒桜
如月空緒桜
ヒソヒソと話しているようだが、内容は空緒桜に筒抜けだった。
如月空緒桜
如月空緒桜
(ガキ…面倒くさい…?どういう事?)
空緒桜は、本の中でしか特殊消防隊について知らなかった。
如月空緒桜
如月空緒桜
(特殊消防隊って…街や人を守るのが仕事じゃないの…?)
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