第109話

《26》訪問者
1,327
2023/04/21 07:33
如月空緒桜
如月空緒桜
その頃、空緒桜はソワソワと外を気にしながら1人家にいた。
如月空緒桜
如月空緒桜
(ヒナとヒカが遠くに遊びに行っててよかった…でも、町のみんなは大丈夫かしら…)
手の痛みを忌々しく思いながら町の人々を心配する。
如月空緒桜
如月空緒桜
…手の痛みを感じるようになったのはあの日・  ・  ・からずっとね…
ふとそう呟いて目を伏せる。

ビリリリッ

如月空緒桜
如月空緒桜
ッッ…うっ
その時、突然腕の痛みがさらに増した。
如月空緒桜
如月空緒桜
ッは…あ、ぅ…ッ!!

バタッ

思わず倒れ込み、手を押さえて痛みに藻掻く。

スッ

ん〜?
如月空緒桜
如月空緒桜
ッ…、?
不意に静かに扉が開き、誰かが入ってきた。
如月空緒桜
如月空緒桜
(だ、れ…?)
空緒桜はゆっくりと目だけを向ける。
◼◼
こんなところにお1人かい?
そこには見知らぬ男が立っていた。
町人
火事だー!!
新門紅丸
新門紅丸
オイ。
町人
あっ、紅ちゃん!
紅丸は、鐘を鳴らして呼びかけていた町人に声をかけた。
町人
助かった!また今日もよろしくな!
新門紅丸
新門紅丸
わかってる。で、今日は誰だ。
ニカッと笑う町人に、紅丸はため息をついて聞く。
町人
…、
しかし、紅丸の言葉に、町人は俯いた。
新門紅丸
新門紅丸
?どうした。
町人
…紅ちゃん。
紅丸が不思議そうにすると、町人は気まずそうに顔を上げた。
町人
今回…”焔ビト”は出てねえ。
新門紅丸
新門紅丸
…は?
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