第92話

《9》テキパキ
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2023/04/20 08:20
森羅
森羅
それはこっちですね!
桜備
桜備
これここに置いときますよー。
環
茉希さん、これあっちらしいです。
茉希
茉希
あ、じゃあこれと一緒に持って行こうか。
トビ
兄ちゃんたち働くねぇ!
テキパキと動く第8に関心するトビたち。紅丸と焜炉も遠巻きにそれを見ていた。
焜炉
焜炉
すごいな…少し言うだけでここまで慣れて動けるとは。
新門紅丸
新門紅丸
…パシれるな。
焜炉
焜炉
やめてあげてください。
呟く紅丸に焜炉が困ったように笑う。
森羅
森羅
あ、これあっちですか?わかりました!
そんな2人の前を、森羅が荷物を抱えて横切る。
焜炉
焜炉
悪いな森羅、手伝ってもらって。
森羅
森羅
!大丈夫です。第7と第8は友ですから!
焜炉が声をかけると、気づいた森羅がニカッと笑う。
新門紅丸
新門紅丸
お前ら、毎回パシリでもやらされてんのか?
森羅
森羅
?何故ですか?
焜炉
焜炉
若、そういうことは思ってても言わないものですよ。
森羅
森羅
不思議そうにする森羅に、焜炉は誤魔化すように笑う。
焜炉
焜炉
あー…動きが早くて助かるって話だ。
森羅
森羅
よくわかりませんが…俺たちよりも、やっぱり空緒桜がすごいですね。
2人
森羅
森羅
あれです。
不思議そうにした2人に森羅が向こうを指さす。釣られるように2人はその方向を見た。
トビ
空緒ちゃーん、これは?
如月空緒桜
如月空緒桜
それはあっちの倉庫へ。右の角の突き当たりです。
トビ
これってここでいいのか?
如月空緒桜
如月空緒桜
あ、それはそこではないですよ。2つ角を曲がった部屋の、上から3番目の棚に閉まってください。
トビ
空緒ちゃーん。
如月空緒桜
如月空緒桜
それは私がしますので、貴方はこのダンボールの中をお願いします。
2人
自分の仕事をしながら、ほとんど周りを見ずに状況把握をして指示する空緒桜に、2人は何も言えなくなる。
森羅
森羅
いつもあんななんですね!尊敬します!
焜炉
焜炉
(…俺たちがサボったせいかな)
素直な森羅に、焜炉は曖昧な表情をする。
如月空緒桜
如月空緒桜
焜炉さーん、若ー、見てないで手と足動かしてくださーい。
すると、空緒桜が手を動かしながら2人を呼ぶ。
森羅
森羅
…呼ばれてますよ?
焜炉
焜炉
ああ、悪い。
新門紅丸
新門紅丸
…今行く。
焜炉は仕方なしに、紅丸は渋々といったように動いた。
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