タッタッタッ
紅丸と空緒桜が町中を歩いていると、木材を持って歩く森羅とすれ違った。
2人は足を止めると振り返った。
ボッ
森羅は笑顔で言うと、足から炎を出して飛んで行った。
空緒桜はぼんやりとその姿を見つめると、辺りを見回した。
たくさんの瓦礫を抱える桜備に、トビは親指を立てる。
ジジジジシジ
アーサーはミニエクスカリバーを手に器用に溶接する。
ドドドドドッ
火縄はメガネを上げると、資材に釘を打ち込む。その速さにトビたちからは歓声が上がる。
ガシッ
ズズズズ
茉希は、目の前の大きな瓦礫を勢いよく持ち上げる。
パラ…
一方で、何もないところで何故か服がはだける環。トビたちはどことなく嬉しそうに声を上げた。
空を見上げれば、相変わらず森羅が働いている。
思わず空緒桜が小さく呟くと、紅丸は答えずに家の方へ足を向けた。
空緒桜は遅れて紅丸の後ろへついて歩いた。
→𝑁𝐸𝑋𝑇
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!