第106話

《23》見かけない顔
1,343
2023/04/21 00:55
如月空緒桜
如月空緒桜
わざわざ焜炉さんまで…ありがとうございました。
焜炉
焜炉
…ああ。
結局森羅とアーサーの喧嘩がヒートアップして大惨事となり、片付けるものが増えて焜炉も手伝った。
新門紅丸
新門紅丸
…おい。
焜炉
焜炉
仕方ないですよ…流石にアオと若の2人じゃ手が足りませんって。
紅丸からの痛い視線に、焜炉は困ったように笑う。
如月空緒桜
如月空緒桜
?どうかしましたか?
新門紅丸
新門紅丸
…何でもねぇよ。
焜炉
焜炉
はは…気にするな。
如月空緒桜
如月空緒桜
そっぽを向く紅丸とぎこちない焜炉に、空緒桜は不思議そうに首を傾げた。

ザッ

ザッ

◼◼
その頃、町では1人の男が歩いていた。
町人
おいおい聞いたか?また第8のヤツらが来てるってよ!
町人
ほお?そりゃあ若がご機嫌だろうな。
町人
そうかぁ?また森羅とアーサーが喧嘩して、紅ちゃんの額に青筋浮かばせてるだろうよ!
町人
はははっ!そうかもな!
◼◼
町の人たちの会話を聞きながら男は横を通り過ぎる。
町人
まあ、紅ちゃんはそうだとして…アオちゃんは嬉しいだろうなぁ。
◼◼
(ピクッ
ふと町人の一言に、男は足を止める。
町人
そうだなぁ。アオちゃん、第8が来てからさらに笑顔が増えたよ。
町人
本当…第8のヤツらには感謝だな!
◼◼
…ふっ
町人の会話を聞いた男は小さく笑った。
◼◼
…匂う…感じる…やはりアイツか…(ボソッ)
男は1人呟き、町人に足を向けた。
町人
だな!…ん?
町人
どうした?…お?
町人
なんだあんちゃん、見かけねぇな?
◼◼
あぁ…この町には初めて来たもんでね。
町人
そうかいそうかい!楽しんでけよ!ここは騒がしいんだ!
町人
ああ!なんせ、荒くれ者しかいねぇからな!
町人は楽しそうに笑って言う。
◼◼
なるほど…確かに賑やかで、噂通りの町ですね。
男も笑って口元に手を当てた。
◼◼
ところで…1つ、お尋ねしたいのですが。
町人
ん?なんだ?
町人が首を傾げると、男は不敵な笑みを浮かべた。
◼◼
…”如月空緒桜”は、どこにいますか?
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