ヴヴッ ヴヴーッ
!なんだ…
突然、森羅の足が震えた。
どうしたの?森羅。
また、足が…
森羅の言葉に、空緒桜は足元を見る。
足…何もないけど…
空緒桜は首を傾げる。
『ありがとよ。お前の気持ちは受け取った』
だが、森羅の頭には焜炉の言葉が浮かんだ。
焜炉中隊長…?
森羅は空に目を向けた。
ッあれは!
つられて見上げた空緒桜が声を上げた。
2人の目に映ったのは、紅丸に向かって飛んでいく炎の矢だった。
あれは…!
捉えた…
若ーッ!!
ボッ
空緒桜が叫ぶとほぼ同時に、森羅が足から炎を出して空へ飛んだ。
うっ…森羅!?
うおっ!どうした!!
空緒桜とアーサーは砂埃に咳き込みながら森羅の行先を見上げた。
させねぇ!!
森羅は真っ直ぐ紅丸の元へと飛んで行った。
!悪魔の足跡…!
射手は驚いたように目を丸くした。
森羅…
空緒桜は心配そうに見守る。
間に合え…!
ヒュッ
ボウッ
森羅は更に火力を上げる。
!追いついた…
!
紅丸は気づいて下を見た。
…ふっ
紅丸は、自分に向かう矢と、それを追う森羅を見て小さく笑った。
→𝑁𝐸𝑋𝑇
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!