第9話

7話
228
2020/05/21 12:10
さとみ
さとみ
趣味は?
はぁ?
記憶のことも、ピアスのことも知ってるくせにそんなんも知らないの?
試しに…
莉犬
莉犬
俺が記憶を無くした回数は?
さとみ
さとみ
3回
莉犬
莉犬
莉犬
莉犬
海…
さとみ
さとみ
海?
さとみ
さとみ
泳ぐのが好きなの?
莉犬
莉犬
違う
莉犬
莉犬
ただ見るだけ
さとみ
さとみ
海の好きなところは?
少し悩む…
本当の事をいうと「変わってるね」とか「病んでるの?」とか言われるから



いやでもこの人にそんなこと思われても困らないか
莉犬
莉犬
何も考えなくていいから
莉犬
莉犬
綺麗だし、波の音とか聞いてると落ち着く
さとみ
さとみ
わかるかも
さとみ
さとみ
なんか楽になるよな
さとみ
さとみ
いろいろと
わかる、と心の中で共感した
さとみ
さとみ
なんかあったんだ
何故だろうこの人にはポロポロと言葉が出てきてしまう
莉犬
莉犬
別に…
まぁこの見た目だからさ、理解してくれない人も多くて
作者(莉犬くんの見た目はイメージイラストのまんまです)
莉犬
莉犬
…人付き合いも下手だし
…下手になったが正しいのかな
さとみ
さとみ
綺麗だと思うけどな
顔が赤くなるのが自分でもわかった
さとみ
さとみ
俺は
さとみ
さとみ
まぁ人それぞれいろいろあるよな
それって?と言おうとしたところで店員さんが「お待たせしました」と料理を運んできた
さとみ
さとみ
食べるか
さとみ
さとみ
こんど行こうよ
莉犬
莉犬
ふぇ?
さとみ
さとみ
見るだけなんだけどさ、
すっげー綺麗な海知ってるから
一緒に行こうよ
莉犬
莉犬
いいよ…
莉犬
莉犬
あんたが俺に勝ったらね
だいたいは俺の好きなものについての話が多かったんだけど、さっきの「それって?」の言葉は言ってはいけない気がした…
たわいもない話をしてるうちに目の前にあった料理はなくなっていた
莉犬
莉犬
美味しい…
さとみ
さとみ
よかった(ニコ
莉犬
莉犬
何かを食べて感動したの初めてかもしれない
さとみ
さとみ
そっか、!
莉犬
莉犬
何?
さとみ
さとみ
ん?
さとみ
さとみ
俺もそう思ったから
莉犬
莉犬
よく来るんだ
さとみ
さとみ
まぁな…
早く連れてきたかったんだ
じゃあなんで今なんだろう?
記憶を無くしてから2ヶ月以上たつのに





9時頃
俺らは店を出た
さとみ
さとみ
次のデート明後日がいいんだけど
さとみ
さとみ
なんか予定ある?
莉犬
莉犬
ないけど…
さとみ
さとみ
じゃあ決まりな
詳しくはまた連絡する
俺は頷いて駅に向かって歩き出した
正直、なーくんに初めて会った時より話やすくて、いつの間にか自然と会話が出来ていた
振り返ると彼は俺を見て微笑んでいた
莉犬
莉犬
あのさ!
俺は声をあげた
莉犬
莉犬
ヒントちょうだい!あんたが誰なのか早くわかるように
クククッと独特な笑い方をした後
さとみ
さとみ
ヒントならもう出てるよ
さとみ
さとみ
1ヶ月あるんだからゆっくり考えなよ
そお言うと彼は歩き出した









まだ何もわからない












でも1つわかるなら











































俺は彼に会ったことがある













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