第33話

ありがとうを言葉に。
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2018/04/01 08:49
ドタンっ
真由香
真由香
何の音??
看護師
大丈夫ですか!?
咲友
咲友
...!  太陽...?
真由香
真由香
咲友ちゃんは、安静にしててっ
真由香がドタバタ走っていく。
そして、ドタバタ帰ってくる。
真由香
真由香
た、太陽が、
転んじゃったみたい...
咲友
咲友
真由香
真由香
いや、怪我はなさそう。
今、器具を付け直すって。
確かに快く自動販売機の方行ったけど、
まだちゃんと歩けるわけじゃないのか、


悪いことしちゃった...
咲友
咲友
太陽。大丈夫?
太陽
太陽
うん、全然っ
咲友
咲友
ごめん、私が行けば良かったね。
太陽
太陽
でも、背中痛いでしょ?
切られたんだもん、
俺は自分の意思で落ちたけど、
自分の意思...か。
ホントに死んでいいと思ってないんだろうけど。
咲友
咲友
...
太陽
太陽
咲友はあと2週間だね。
咲友
咲友
あー、
太陽
太陽
俺は伸びちゃったから。
羨ましい、ホントに。
咲友
咲友
え?なんで?
あと3週間じゃ...?
太陽
太陽
今日、転んだので伸びたんだ。
まだ安定しなそうだから。
咲友
咲友
...そうなの。
太陽
太陽
うん
咲友
咲友
お、お見舞いっ
来るから。ちゃんと。
太陽
太陽
あー.....  /////
勝手に。してくださいー。
咲友
咲友
うん。勝手に来るね。
勝手に行くよ。太陽に会いに。
一週間後
笑莉
笑莉
咲友〜💓お見舞いっ!
いやいやいや、あのさ、私が入院してんの...




誰のせいよ?


何なのこいつ、全然分かってないの?
頭おかしいの?覚えてないの?

それとも...?それとも...
笑莉
笑莉
あぁ!太陽くん?
なんでいるの〜?
太陽
太陽
こいつ、太陽目当てだ、絶対。
咲友
咲友
何しに来たの?
笑莉
笑莉
え?お見舞い。
咲友
咲友
顔も見たくない。帰ってっ
笑莉
笑莉
そんなこと言わないでよ。。。
太陽
太陽
俺が咲友の立場でも、
「帰って」って言いますよ。
笑莉
笑莉
えぇ、なんで??
太陽
太陽
だって...
咲友
咲友
とにかく帰ってよっ!!!!
帰って帰って帰って帰って帰ってーっ
私は立ってお姉ちゃんを病室の外に追い出した。
笑莉
笑莉
むぅ...
生意気なっ
はぁ、もう二度と顔見たくないくらいなのに。
太陽に会いに来るだけならマスクしてきてくれればっ
ウザイな。お姉ちゃんっていらない。
太陽
太陽
ねぇ。咲友?
咲友
咲友
なに?
太陽
太陽
いつ間にか、
「うん」じゃなくなったね。
咲友
咲友
え?
太陽
太陽
最初の言葉が、
「うん」じゃなくなった。
咲友
咲友
あぁ。
確かに。いつからだろうか...
前まで、第一声は「うん」しか出てこなかったのに。
私...
変わった...?
変われた...?
咲友
咲友
確かに。
太陽
太陽
変わったよ。咲友。
太陽
太陽
咲友...?
涙がこぼれていた。目から、熱い何かが。
温かい...優しさに溢れた...

私。変わったのかな…?

咲友
咲友
ありがとう
太陽は少し首を傾げていたけど、
私の中ではこの一言を言えて満足。

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